女流将棋の中七海(ななみ)女流三段が24日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指された第47期女流王将戦予選第12ブロック予選を一日3勝で突破し、西山朋佳女流王将=白玲、女王=への挑戦権をかけた本戦トーナメントに進出した。デビューから無傷5連勝で、本戦入りはもちろん初めて。
予選は早指しで、オールラウンダーの中だが、この日は3戦とも振り飛車(向かい飛車―三間飛車―初手・三間飛車)。終局後の取材には「苦しい将棋もあったので勝ててよかったです」。前期挑戦者の福間香奈女流名人=清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花と五冠=を含む16人によるトーナメントに臨むが「(本戦入りは)あまり意識していなかったので、目の前の一局を頑張りたい。皆さん強いので、いい内容の将棋を指せれば」と話した。
西山はプロ棋士編入試験を受けるも、22日の最終局で敗れ、惜しくも2勝3敗で不合格になった。「残念だったと思います」と感想を述べ、自身の将来的な試験挑戦の夢は「それは考えられないです」。まずはプロ棋士との公式戦に参戦できる各棋戦の女流枠に名乗りを上げなければならない。
本戦の上には、西山がそびえ立つ。西山の棋力に「正直、勝てる気がしないです…」と恐縮したが、福間、西山に続く奨励会三段リーグ経験者として、着実に結果を残している。
デビューから2連勝して駒を進めている女流名人戦(報知新聞社主催)の予選第2ブロックは次戦、今月30日に室田伊緒女流三段戦を控える。その室田はこの日の予選で北村桂香女流二段に敗れた。10人による総当たりリーグ戦入りまであと3勝。勢いを止めず、女流王将戦に続く予選突破を目指す。(筒井 政也)