◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一戦12回戦 ○統一王者・井上尚弥(4回2分25秒・KO)WBO世界同級11位・金芸俊●(24日、東京・有明アリーナ)
世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が、挑戦者のWBO同級11位・金芸俊(キム・イェジュン)にKO勝ちした。4回2分25秒、右ストレートを顔面にヒットさせ、相手は立ち上がることができなかった。当初対戦予定だったサム・グッドマン(26)=オーストラリア=の負傷で1か月延期となり、ゴング13日前に挑戦者が変更。異例の状況にも“モンスター”は動じず、現役単独最多となる世界戦通算24勝目を挙げて、世界進出イヤーの幕開けを飾った。
勝利こそが尚弥の意思表示だった。期待されたグッドマンとの対戦が延期、消滅。調整に支障はあった。それでも「僕がモチベーションが上がらないだの言っていたら、チケットを買ってくれたファンの方に申し訳ない。金選手と会場に足を運んでくれるファンの方に対しては、本当に最大限のリスペクトを持ってリングに上がって、油断することなく井上尚弥のボクシングをしっかり見えることがファンに向けたメッセージ。全てやり尽くす」と言い切った。
次戦は4月か5月、米ラスベガスでの開催が予定され、その後はサウジアラビア開催もプランにある。海外進出を意識してか、入場曲は木村拓哉がパイロットを演じたドラマ「GOOD LUCK」のテーマソング「Departure」。日本のファンの前での貴重な試合機会で、宣言通りの勝利。尚弥の「ボクシングキャリアを加速させる1年」が始まった。
井上尚弥「思った以上に会場に足を運んでくださいまして、ありがとうございました。今までにも経験したことがなかった、皆さんの応援で今日、ここに立てていると本当に思いました。いつもより被弾するパンチが多いかと思ったけど、対戦する相手が変わって対策不足。リングで確認しようかなと思った。全体的には良かった。(ボクサーとしての完成度は)自分自身もはかれない部分がありまして、キャリア最終までレベルアップできれば。25年、自分にとっても大事な年にしていきたいなと思ってます。この後、大橋会長と話して今後のことを決めていきたいなと思います」