◆プロボクシング ▽ライト級(契約体重60・0キロ以下)10回戦 〇奈良井翼 (判定) 渡辺海●(24日、東京・有明アリーナ)
ライト級(契約体重60・0キロ以下)のノンタイトル10回戦は、日本スーパーフェザー級王者・奈良井翼(RK蒲田)がWBOアジアパシフィック同級王者・渡辺海(ライオンズ)に判定勝ちした。
戦績は25歳の奈良井が15勝(10KO)2敗、22歳の渡辺が13勝(7KO)2敗1分け。
地域王者同士の対戦は序盤から距離をとっての探り合い。それでもチャンスとみると距離を縮めて打ち合った。3回には奈良井が左カウンターで渡辺をぐらつかせた。渡辺は「見えなかった。一瞬だけ効いた」という。奈良井は5回、偶然のバッティングで左目上をカットしたものの、終盤まで冷静に対応した。
最終回、激しい打ち合いで両者は王者の意地をぶつけ合ったが倒しきれず、試合は判定へ。ジャッジ1人が96―94と渡辺を支持したものの、残る2人は96―94、96―94で奈良井。2―1の判定で日本王者に軍配が上がった。
「KOしたかったが、渡辺選手がうまかった。最初、いいの(パンチ)が当たってぐらつかせたが、渡辺選手が盛り返してきて、引きのボクシングで距離を取られた」と奈良井。それでも「下馬評で負けていたので、勝ててちょっとうれしい」と笑顔を見せた。
試合前、ここでの勝利を世界へのジャンピングボードにするという気構えでいたが、「今日の内容じゃ、世界とは言えない」と奈良井。「上に行くために、練習を頑張っていくしかない」と気合を入れた。今春には日本王座の防衛戦が待っており、「今後はそこに集中していきたい」と力を込めた。
一方、渡辺は「練習不足です。それだけです」と話した。契約体重によるノンタイトル戦だったが、「統一戦で今後に残れるかという試合」と位置づけていたといい、「結構気合が入っていたが空回りした」と反省した。今後については、保持するWBOアジアパシフィック王座の防衛戦も含め「トップ戦線で戦えるよう、イチから立て直していきたい」と前を向いた。