J1のC大阪は24日、元日本代表FW柿谷曜一朗が昨季まで所属していたJ2徳島との練習試合に臨んだ。試合は45分を3本行い、3―0でC大阪が勝利。元日本代表MF香川真司は2本目の途中から出場した。試合後、23日にC大阪の本拠地・ヨドコウ桜スタジアムで引退会見を行った柿谷へ、2006年にC大阪同期入団の香川は時折笑顔を交えながら、素直な思いを明かした。
以下、香川の一問一答
―引退会見は見たか。
「もちろん見ました」
―会見での言葉をどう感じたか。
「(会見前)『泣くなよ』ってLINEでやりとりしていて、『泣かへんわ』とか言ってきたんですけど曜一朗が泣いてたんで。人間味あるなって。泣くんやなあいつって思いながら、すごい感慨深かった。彼がそれだけセレッソに対する思いであったり、やっぱ4歳から育っている自分の家同然だと思うんで。インタビューを聞きながら、彼のいろんな思いが出ていた会見だったと思う」
―同期入団の仲間の引退について、どこかさみしさのような感情は。
「もちろんもうこの時期になってきたら、僕もそうですけど一年一年が勝負で、後悔ないようにやっぱりみんな戦ってると思う。自分もいつそれが来てもおかしくないと思っているし。だから引退に対する思いっていうのは、正直それはもう自分が決めるタイミングだなっていう思いでしかない。ただやっぱり、一緒に戦ってきた仲間が引退するってのは感慨深いですし。曜一朗に対しては特に、同期で、まさに比べられながら戦ってきたんでいろんな積もる話はあるし。でも彼がいたからこそ自分やっぱいつも頑張れたっていうのは間違いなくあるんで。そういう意味では本当に大切な同志だと思っている」
―柿谷選手は「サッカーが難しくなったり、ハードワークが多くなり、自由に楽しくできなくなったギャップがあった」と話をしていたが、生き続けるために変わらなければいけない思いは自身もあるか。
「自分で言うのもあれですけど、どんなサッカーにも対応する力がある方だと思っている。ただ、曜一朗は逆に自分のプレーに対するこだわりと、芯みたいなものがやっぱり強い。それはすごくいい意味でね。僕にはそれが正直なくて。やっぱりあいつのサッカーに対する人々を、見てる人たちを、あいつならではのクリエイティビティっていうか、驚かせたいとか。やっぱそういうのが本能的にあってプロまで行ってるんで、それはすごい自分にはない。こういう時代だからこそ、そういう選手の貴重さであったり、メンタリティであったりっていうのはすごく重要なのかなと僕は思ってるし。なので、もうちょっと正直やってほしかったなってのは感じています」
ー絶滅危惧種に近い好選手だった
「ああいうプレイヤーはなかなか現れないでしょうし。それはもう物心ついた頃から備わった、あいつならではの感性だと思うんで。それはすごく寂しいですね」