◆卓球◇全日本選手権 第5日(25日、東京体育館)
女子準々決勝が行われ、8年ぶりの日本一を目指した平野美宇(木下グループ)は、過去3度優勝の伊藤美誠(スターツ)との“みまみま”対決に3―4で敗れ、7年ぶりの4強は果たせなかった。「あと1点だった。殻を破れなかった」と悔しさをにじませた。
同じ2000年生まれの盟友同士の“みうみま”対決。2018年大会の決勝で敗れた雪辱の思いを持って臨んだ。第1ゲームから前に出て「向かっていく気持ちで臨んだ」。第4Gの前にはユニホームを替え、攻め立てた。2―2の第5ゲーム(G)を11―7で奪い、3―2とリードした。迎えた第6G。先にマッチポイントを握った10―8の場面から伊藤のスマッシュを食らった。観客席から「平野あと1本」とのゲキが飛んだが、取り切れず、10―12で落とした。最終Gも失った流れを取り戻せず、フルゲームで敗れた。試合後は首を傾け、ぼう然とした様子で立ち尽くした。
「(第6Gのマッチポイントを握ってから)めちゃくちゃ勝ちを意識したわけではないんですけど、でもプレーはちょっと勝ち急いでしまったりしていたのかなと思います。向かっていく気持ちで臨んではいたんですけど、10―8の時はやっぱり挑戦者の気持ちをちょっと忘れて、勝ちたいという気持ちが上回ってしまったのかなと思います」と敗因を口にした。
パリ五輪代表の最終選考を兼ねた前回大会は、6回戦で隣のコートで代表権をみうみまで争い、平野が悲願のシングルス出場の権利をつかんだ。激闘から1年。平野は「直接対決にも勝ちたかったんですけど、今日負けてしまったのはすごく悔しいですし、勝つチャンスがあった試合だったので、今日は勝ちたかったなという思いが、すごく強かった。相手は対戦してやはり勝つのが難しい選手だなと思いました」と勝者をたたえた。
パリ五輪を終えて、新たな気持ちで臨んだ全日本選手権だった。「初心に返って臨んだ全日本だったけど、収穫もありましたし、まだまだやるべきことはたくさんあるなと思いました」と総括した。今後は30日開幕のシンガポール・スマッシュに臨み、5月には世界選手権個人戦(カタール)がある。「全力で挑めるようにしたい」と話した。