スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が、年末にもWBAフェザー級王座に挑戦するプランを明かした。この挑戦を4団体は認める可能性が高い。元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏(スポーツ報知評論家)は、複数の階級で戦うことに太鼓判を押した。
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尚弥が主戦場にするスーパーバンタム級(55・3キロ以下)とフェザー級(57・1キロ以下)では1・8キロの差があり、確かに選手の体格がひと回り大きくなる。階級が上がれば、その分、相手のパンチを受けた際の衝撃が大きくなり、耐久力も問われるのだが、今の尚弥には1階級ぐらいのアップは関係ないだろう。パンチのパワーはすでにフェザー級を超えていると思うし、フェザー級を見てもあれだけスピードのある選手は世界中見当たらない。減量に関しても1・8キロ分の余裕ができることになり、むしろコンディション的にはよくなるはずだ。
今後ラスベガス、サウジアラビアでの試合を終えた後、フェザー級でWBA王者ニック・ボールと対戦という構想だろう。そして再びスーパーバンタム級にウェートを落とし中谷との対戦となるのだろうが、フェザー級での試合が1試合だけならば、肉体的な影響はないはず。総じて階級を落としていい話はあまり聞かないが、たった1試合だけならば、すぐに本来のスーパーバンタム級の体に戻れるだろう。海外のスターがベルトを持ったまま階級をまたいでスーパーファイトをしているが、尚弥にはそのステージがふさわしいのかもしれない。(元WBC世界バンタム級王者・山中 慎介)