巨人の支配下新人5選手を紹介する連載企画「目指せ!慎・巨人の星」の第4回はドラフト4位・石田充冴投手(18)=北星学園大付=。ドジャース大谷、佐々木にも体格で引けを取らない192センチ、87キロの“ポテンシャルモンスター”は長嶋茂雄終身名誉監督=報知新聞社客員=も背負った「90番」からの大出世を誓った。
充実の第一歩にうなずいた。石田充はGタウンでの新人合同自主トレを打ち上げ「新球場でのプレーはすごく気持ちよかった」と笑顔を見せた。球団からもらった背番号は90。「長嶋さんが最初に監督をされた時につけていらっしゃった番号だと知っていたので、とてもうれしくて。(昨年11月)ファン感で登場された時はめちゃくちゃ鳥肌が立った。あれだけ誰からも愛されたら最高だと思う」と大志を抱いた。
大化けの予感を秘める最速149キロ右腕。18歳ながらチームの日本人右投手で最長身の192センチ、大谷や佐々木と入団時の体つきはほぼ同じ。「体を作れば徐々に(球速も)ついてくる」と160キロの大台到達を見据えている。実際に小学1年の時、地元の旭川スタルヒン球場で日本ハム時代の大谷を見た。「158キロだ! と。一塁側の上の席から見たのを覚えている」。プロの夢が輪郭を帯びた瞬間だった。
ストイックで「人と群れるのを好まない」性格。その礎は、米独立リーグやフィリーズ1Aでのプレー経験を持つ父・威仁(たけひと)さん(50)の教えにある。「昔から『群れるよりも一人でいたほうが責任感が生まれるぞ』と。友達が遊んでる時、休んでる時こそうまくなってやろうと」。大投手になるため、野球と並行で小3から高校まで休まず水泳を続けた。肩関節の柔軟性や偏りがちな身体バランスを左右対称にする狙いで毎回1・5キロ泳いだ。そこに初動負荷トレも合わせ「寮の門限、21時までには帰れるように」と休日だろうと“コソ練”を続けて夢への扉を開いた。
巨人からの指名。G党の父は大喜びだった。幼少期から食卓には発酵食品や果物が必ず並び「出されたものだけを食べていたら今の体に」と感謝する。「父は『東京Dで投げているところをビールを飲みながら見たい』と。主力に成長して招待したい」。キャンプは3軍スタートだが、将来目指すはミスター級の存在感。背番号90の重みを力に変えて、原石を磨き上げる。(堀内 啓太)
◆石田 充冴(いしだ・じゅうざ)2006年7月21日、北海道・旭川市生まれ。18歳。旭川啓明小1年時に啓明ライオンズで野球を始め、北星学園大付では1年秋からベンチ入り。甲子園出場はなし。名前の由来は人気漫画「北斗の拳」に登場する「雲のジュウザ」から。192センチ、87キロ。右投右打。