◆「新春広島プロレスフェスティバル」大会(26日・広島グリーンアリーナ・小アリーナ)
「邪道」大仁田厚(67)が広島のご当地レスラーの11年に及ぶプロレスラー人生の幕引きに電流爆破マッチで立ち会った。
デビル・ザ・マジシャンはこれまで大仁田の電流爆破マッチやFREEDOMSなど各団体の広島大会に参戦してきたプロモーター兼ご当地プロレスラー。
「広島の人に自分が大好きなプロレスを楽しんでもらえたら」という思いの元、ヒーローショーなどでマジックを披露しつつ、プロレスの道に進んだレスラーだ。
引退マッチと銘打たれたこの日は2階席までぎっしりの2000人越えの超満員。鈴木みのる、ウナギ・サヤカらも参戦し、花を添えた。
「邪道」はメインイベントの新春最強爆破デスマッチに出場。盟友・雷神矢口、岡田剛史と組んで、マジシャン、葛西純、マンモス佐々木組と「流星ロケット爆破+ロープ&電流爆破バット」の試合形式で激突した。大仁田組にはステージ4の食道がん闘病中の「無我」西村修が参戦予定だったが、24日から体調が悪化したため欠場となった。
序盤からマジシャンにロープに押し込まれ被弾した大仁田。電流爆破バットも食らう劣勢の立ち上がりとなったが、反撃に出た大仁田はマジシャンのマスクを破る暴挙。さらに矢口がマジシャンに爆破バットを振り下ろした。
しかし、葛西が間一髪でマジシャンをかばい、被爆。葛西にとって初めての電流爆破の洗礼となった。
葛西の離脱で戦力を削がれ、マジシャンが一方的に攻められ続ける展開に。矢口から爆破バットを浴びると、岡田からも猛攻を受けた。しかし、大仁田と矢口のダブルブレンバスターは返し、意地を見せたマジシャンに大きな声援が飛んだが、最後は大仁田と矢口のダブル電流爆破バット殴打で16分4秒、マットに沈んだ。
試合後のリング上でマイクを持った大仁田は「マジシャン、ありがとうな。この大会の宣伝に散々利用されましたけど。利用されてもいいやと思える、そんな男です」とニヤリ。
この言葉を受け、マジシャンは「1年前からこの大会を企画して、葛西選手に電流爆破をお願いしたら、二つ返事で出てもらえました。西村選手も絶対、行くよといって下さってましたが、東京から応援してくれていたと思います。そして最後に大仁田さん! 自分みたいなのを電流爆破のリングに上げてくれて、ありがとうございました! また、11年間のご声援、本当にありがとうございました!」と絶叫した。
最後に「これから、どんな人生を送るか分かりませんが、俺はこの男が大好きです。第二の人生、頑張れ! マジシャン! 1、2、3、ファイヤー!」とエールを送った大仁田。その隣で男泣きのマジシャンはリング上で1人になると、10カウントゴングにじっと聞き入り、会場中から湧き起こる拍手の中、リングを降りていった。