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「だから言っただろ!」叔父・朝青龍の激怒に豊昇龍涙も下半身強化やり抜くためモンゴルで説得 スクワットは250キロ近くまで到達

スポーツ報知 2025年1月28日 5時10分

 大関・豊昇龍が3人による優勝決定ともえ戦を制して、逆転Vを成し遂げた。初場所後に、モンゴル出身では6人目の横綱昇進が確実となった。スポーツ報知では3回連載で、2場所連続の好成績を残した大関の心身の充実ぶりを探る。第2回は偉大な存在だった叔父・元朝青龍との“紆余曲折"。

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 初場所前、豊昇龍は「食べて寝て筋トレする。そうすると俺はでかくなる」とうれしそうに語っていた。22年6月、小結として参加した出稽古で足腰の弱さを痛感し、立浪部屋に住み込んだ松原郷士フィジカルコーチ(52)と取り組んできたトレーニング。その成果を実感していた。

 肉体強化には紆余(うよ)曲折があった。叔父の朝青龍に口を挟まれた。元横綱が来日していた23年初場所で、豊昇龍は左足を痛めて途中休場。下半身を鍛えると反り腰になったり、筋トレが筋肉を硬くすると考えていた叔父は「だから言っただろ!」と激怒した。あまりの迫力に、豊昇龍は涙をこぼしたという。

 トレーニングを中断せざるを得なかったが、同6月に母国・モンゴルへ渡り、反対の意思を伝えた。強くなりたい―。その一心だった。許可を得て、下半身を重点的に強化。一度決めたらやり抜くストイックな性格だ。スクワットは250キロ近くまで到達。昨年の名古屋場所から体重が10キロ近く増え、秋場所前に150キロに乗った。立ち合いで当たり負けしなくなった。

 以前は、即席麺を食べるなど松原氏が「いいもの食べてよ」と嘆くほどコンディショニングに無頓着。ゲームをして朝を迎えたこともあった。大関・琴桜(27)=佐渡ケ嶽=、大の里(24)=二所ノ関=の両大関誕生も刺激となり、今は嫌いなトマトも口にする。

 取り組みを始めたばかりで、松原氏は「まだやっていないことは多い。末恐ろしい」と伸びしろがあるという。強い体を手に入れて躍進した豊昇龍は同時に技の進化にも動き出した。(特別取材班)

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