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失言で大混乱フジテレビ 日またぎ会見「日枝氏はなぜ出てこない」「トカゲのしっぽ切り」怒号も

スポーツ報知 2025年1月28日 5時0分

 フジ・メディア・ホールディングス(HD)は27日、フジテレビの港浩一社長(72)、嘉納修治会長(74)=フジ・メディアHD会長兼任=の辞任を発表した。元タレント・中居正広氏(52)の女性トラブルに同局社員が関与したとされた報道の影響などの責任を取った。フジ・メディアHDの専務取締役・清水賢治氏(64)が新社長に就任する。港社長らはこの日、東京・台場の同局で会見したが、会見中の失言や、不在だったフジサンケイグループ代表で、同局取締役相談役の日枝久氏(87)の責任を追及するなど怒号が飛び交った。

 海外メディアも含めた400人超の報道陣が集結した異例の“やり直し会見”。冒頭で、港社長と嘉納会長が辞任を発表した直後の質疑応答から会場は紛糾した。

 最初の質問で「中居氏と当該女性が会食した場でトラブルが発生したと伝えられていることについて」と問われると、司会を担当した上野陽一同局広報局長が「個人特定につながる」として制止。質問者は「これでは、質問できない。冗談じゃない」と憤慨し、会場から「そうだ」と合いの手が入るなどいきなり収拾がつかない状態となった。

 さらに午後7時半ごろ、「中居氏と当該女性との間に認識のズレがあったのか」という問いにフジテレビの遠藤龍之介副会長が「ちょっと踏み込んで申し上げれば、意思の一致か不一致かということ」と答え、約1時間後「私が踏み込みすぎた発言をした」と、失言と認め撤回すると、報道陣はヒートアップ。港社長もしどろもどろな答弁をしたこともあり、マイクを通さずに多くの記者が「しっかり答えなきゃ」「当該女性も見ていますよ」などと発言。その一方で「二次被害にもあたるのでやめましょう」と制止する記者も現れ、会場は騒然とした。

 フジ・メディアHD・金光修社長は「遠藤がなぜそんなことを言ったのか分かりかねますが、我々の見解として、当事者間の出来事に、第三者の我々の立場で言うべきことではない」「言うべきでないことを言ってしまったから訂正した、ではダメでしょうか」と弁解したが、「いい加減なことを言うな」などと混乱は収まらなかった。

 報道陣の怒りの発端は、88年の同局の社長就任以降、40年近く「ドン」として君臨する日枝氏が会見に出席せず、辞任もしなかったことだった。23日の社員説明会で社員から名指しで迫られ、労働組合にも求められながら姿を見せず。金光HD社長は「(日枝氏は)直接現場には関わっていない。登壇の必要性はない」と説明したが、「企業風土の礎をつくっているのは間違いない」とも断言。遠藤副会長は「(3月末の)第三者委員会の報告をメドに、それぞれの役員が責任を取る」と日枝氏の辞任も示唆したものの、何度も「日枝氏はなぜ出てこない」「これではトカゲのしっぽ切りだ」などの声が上がった。

 前回の会見から10日。会見は8時間を超え、日をまたいだが、新たに発表された大きな事象は港社長、嘉納会長の辞任、そして清水氏の新社長就任だけで、内容自体は、前回と大きく変わらなかった。

 清水新社長は「信頼回復なくしてフジテレビに未来はありません」と宣言したが、判断するのは、売り上げの約6割にあたる「放送収入」(約1473億円)を担うスポンサーと視聴者。両者の理解を得られない限り、復権はない。(田中 雄己)

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