巨人・戸郷翔征投手(24)が宮崎合同自主トレ初日の28日、田中将と濃密な野球談議を交わした。木の花ドームでのブルペン視察中に自ら話しかけて対話がスタート。初めて共闘する一回り上の先輩と16分間の時を共有し、「場数を踏んでいる方の話をすごく聞けたので良かった。あれだけの成績を残している方なので、聞くことばかり。本当にプラスでしかない」と声を弾ませた。
会話の内容は田中将の経験や普段の調整法、巨人の雰囲気など。高めの直球で押し込む投球について聞いた際には、ともに身ぶり手ぶりを交える場面もあった。その中で、「一番はメンタルとかね。日本でやってきたことをちょろっと聞きました」と、2013年にはシーズン24勝0敗をマークした右腕の精神力に触れた。
経験豊富なレジェンドから積極的に吸収する姿勢は、戸郷らしさでもある。「僕は(昨季まで)菅野さんがおったんで、グイグイいきました」。大先輩にも物おじせず、オフにオリオールズに移籍した菅野からも有形無形の財産を得てきた。「聞きたいときに聞かないと、学べるときに学んでおかないと、というのはあります」と、自らの進化のために貴重な時間を最大限に活用。シーズン中よりも話せる時間が多いキャンプ中に、さらに会話を重ねるつもりだ。
前日(27日)の決起集会でも田中将と同じテーブルで親睦を深めた。同じ先発投手でもあり、「僕らとしても気が抜けない存在。しっかりとまたやらないとな、という気持ちです」と気を引き締め直したエース。新たな仲間の存在も力に、リーグ連覇と日本一への道を進む。(田中 哲)