スポーツ・チャンネル「DAZN(ダゾーン)」と読売新聞社、読売巨人軍は28日、都内で「読売新聞・読売巨人軍・DAZN包括提携更新に関する共同記者会見」を行い、19年に締結した3社の包括提携を更新延長し、新たに10年契約で合意したと発表した。
ポイントは以下の通り。
▽巨人の1軍公式戦、読売新聞または日本テレビが関わるサービス以外では独占的に配信
▽台湾での巨人1軍公式戦の配信と有料放送を新たに開始
▽巨人イースタン・リーグ公式戦をDAZNで初めてライブ配信
▽巨人春季キャンプをDAZNで初めてライブ配信
▽巨人のオフィシャルプレミアムスポンサーを継続
▽阿部監督が昨年に続いてDAZNアンバサダーに就任
会見に出席した読売新聞グループ本社代表取締役社長・巨人オーナーの山口寿一氏コメントは以下の通り。
「包括提携契約をこのたび更新したのは、DAZNと読売のどちらも互いがウィンウィンの関係にあると認め合っているからです。それを10年という長期の契約で合意したのは、長期契約によって配信サービスを安定的に行う。そのことでファンの方々の満足をより高めていけると考えたからです。長期契約によってDAZN、読売、それにファンの方々も含めたウィンウィンウィンの関係を作っていきたいと考えたからです。
ダゾーンとの契約のおかげで、読売ジャイアンツのコンテンツはかなり充実しました。ダゾーンが独自のコンテンツとして配信するジャイアンツのインサイド映像。選手たちの日常の姿を編集した特別ドキュメンタリー番組といった様々な映像コンテンツがファンの方々の満足度を高め、同時に新しいファン層の拡大につながってきました。ダゾーン配信の映像はテレビ中継では見られないコンテンツです。そこが新たなファンをひきつけてきたと思っています。
ダゾーンと私どもとの包括的契約は2019年に始まりました。たまたまのことではありますが、その翌年にコロナ禍となりました。無観客で試合を開催せざるを得ない状況となり、私どもはインターネットのオンデマンドの視聴手段があることでファンの皆様にジャイアンツの映像をお届けできる、そのありがたさ大きな価値を思い知ったところです。
もともと私どもは現代のような多メディア社会においてはプロスポーツは多様なメディアを組み合わせて多様なコンテンツを発信することが大事だと考えていて、そのためにダゾーンとの契約に踏み出した経緯がありました。現在のところ読売新聞、スポーツ報知といった活字メディアに加えて映像に関しても地上波テレビ、BS、CS、さらにインターネットのジャイアンツTV、日テレグループのフールーと多様な媒体を使っていて、さらにはSNSも駆使しています。そこにスポーツ専門のダゾーンが加わったことで、これまで他のスポーツに関心を持っていた、野球をあまり見たことがなかった方が新たにジャイアンツのファンになるといった変化が生まれました。一方、ダゾーン側も読売新聞の新聞販売店網を活用して会員を獲得するといった、読売ならではの継続的な会員獲得策や、読売新聞社のマーケティングの企画力、実行力を評価してくださったんだと思います。2019年以来、6年に及ぶおつきあいを通じて、ダゾーンと読売が協力することでスポーツファンの拡大という両者共通の目的を推進できるという手応えを双方がつかんできた、と言って良いと思っています。
そこで今後目指す方向ですけれども、今回の契約更新にあたってファンの皆様の満足をより高めるための施策について合意しましたので、ここでは2点に絞って申し上げます。
1点目は配信するコンテンツの拡充で、具体的には春のキャンプと2軍の公式戦です。これまでもCS放送やジャイアンツTVを通じてコアなファンの皆様にお楽しみいただいてきましたけど、今回日本テレビの理解を得てダゾーンの配信を開始することになりました。このことによってユーザーとの接点がさらに広がると期待しています。特に2軍戦に関しては今年3月に東京・稲城市にジャイアンツタウンスタジアムが開業します。新球場の映像を広く配信することで、この球場に行ってみたいと思ってくださるファンの方々が増えることにつながればと思っています。
2点目は台湾での放送開始です。去年3月ジャイアンツは90周年を記念して台湾のプロ野球2球団と親善試合を行いました。2試合で合計7万人の方々に来場いただき、台湾の野球人気の高さを実感しました。今回ダゾーンの台湾での巨人戦放送、配信が実現することで、現地のファン拡大、グローバルな野球振興につながることを期待します。去年7月には台湾の高校を卒業したばかりの長身のサウスポーのファン・ジンファオ投手と育成契約を結びました。ファン投手が成長して活躍する姿をダゾーン通じて台湾のファンの方々に見ていただけるのを楽しみにしています。
これらの施策にさらに工夫努力を重ねることによって、ダゾーンと読売のウィンウィンにとどまらない、ファンの方々も含めたウィンウィンウィンを実現していきたいと考えています」