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「弱っていく過程も全部見せていく」森永卓郎さん、死去前日までラジオ出演続け情報発信

スポーツ報知 2025年1月29日 0時0分

 経済アナリストでスポーツ報知コラムニストの森永卓郎(もりなが・たくろう)さんが28日午後1時33分、原発不明がんのため自宅で死去した。67歳だった。森永さんは23年末にステージ4のすい臓がんであることを公表。その後もレギュラーを務めるラジオ番組などに出演を続け、闘病の様子を話したり、経済問題などについてコメントしていたが、ついに力尽きた。

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 森永さんは亡くなる当日28日の朝までメディア出演を続けようとしていた。そこには「弱っていく過程も全部見せていく」という信念があった。

 ニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」(月~木曜・午前8時)には毎週火曜日、リモート出演を続けてきた。この日は体調の悪化から出演を断念。本番前に電話で話したパーソナリティーの垣花正アナウンサーが涙を流しながら「頑張っている姿に感動して…一日でも長く一緒にやりたい」とコメントし、スタジオで共演した長男で経済アナリストの森永康平氏は「(森永さんは)まだ死んでねーぞって話になると思う」と明るい声で受け止めていた。

 番組内で康平さんは、森永さんが拒否し続けてきた入院を希望するほどの痛みを伴っていることを明かしていた。24日にテレビ収録で一緒になり「控え室で倒れている状態」だった。音声のみでベッドで寝ていても出演できるラジオと異なり、テレビはカメラの前に立たなければいけない。それでも本番となると、しっかりとした姿で出演し康平さんを驚かせた。薬で痛みを抑えれば話していても集中できなくなる。薬がなければ激痛が襲う。そんな状況でも情報発信を続けた。

 家族としては森永さんが闘病、治療についてつまびらかに語ることには抵抗もあったという。ただ「少なくともラジオのリスナーの人にはありのままを全部伝える、弱っていく過程も全部見せていくというスタイルでやってきた」という本人の意思を尊重。訃報の報告でも康平さんは「時間が出来た段階で、余命宣告をされてから今日に至るまでの闘病の様子や、 父の最期の様子なども、皆様にご報告させていただければと思います」と思いを引き継いだコメントをしている。

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