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“24時間営業”だった森永卓郎さん 67歳でも十二分に天寿を全うした…担当記者が悼む

スポーツ報知 2025年1月29日 5時10分

 経済アナリストの森永卓郎(もりなが・たくろう)さんが28日午後1時33分、原発不明がんのため埼玉・所沢市の自宅で死去した。67歳だった。スポーツ報知で昨年末までコラムを担当。鋭い経済分析に加え、軽快なトークとコミカルなキャラクターで愛された森永さんは23年末にステージ4のすい臓がんであることを公表。その後もメディアに精力的に出演を続け、闘病の様子や経済問題などについて語ってきた。死去前日もラジオに生出演。生涯現役を貫き通し、天国に旅立った。

 世の中には「天寿を全うした」という言葉があるが、もしかしたら、この人ほどその言葉が合う人はいないかもしれない。森永さんは死期を悟った後、「何をすべきか」ということを十二分にした後、旅立って行った。

 23年12月に、がんが発覚。その時の「第一感」は自身の病気を嘆くのではなく、その時に書いている本が未完になってしまうことの心配だった。「9割方できていたんですけど、それが意識がもうろうとしていたことで遅々として進まなくなった。それはもう、何が何でも書き終えないと、と思ってたんですけど、それができなかったのがすごく苦しかったんですよ」。幸いにして薬が効いたことで書き上げることができた本は、ベストセラーとなった。

 スポーツ報知では昨年12月までコラムを担当していただいた。担当としてやりとりをする中で驚いたのは、森永さんが“24時間営業”だったことだ。こちらは仕事の性格上、真夜中にメールを送信することもあったが、森永さんからの返信もまた24時間営業だった。「何やかんやいって1日17~18時間は働かないといけない」と話していたが、間違いなくそれ以上働いていただろう。

 現在の世の中で言えば、その働き方はありえないかもしれない。ただ、「権力と戦う。そのためにはゆっくり人生を過ごすとかは、みじんも思わなかった」と話していた森永さんが、最後の時を満足していたのであれば、私は拍手を送りたい。(文化社会部デスク 高柳 哲人)

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