元日本代表FW豊田陽平(39)が29日、金沢市内のホテルで現役引退会見を行った。石川県出身で星稜高を卒業後、2004年に名古屋に加入。その後は山形、京都、鳥栖、蔚山現代(韓国)、栃木、金沢でプレーした。プロ21年間でJリーグ通算500試合、162得点を挙げ、13~15年には日本代表に選出。豊田は「21年と考えると長く感じるが、実際にはあっという間に過ぎました。苦しいことは多かったが、幸せな選手生活でした。ほぼやりきったかなと思います」と振り返った。
昨年9月に故障から復帰。コンディションも戻っており、昨年末までは現役続行の気持ちもあったが、鳥栖からフロントスタッフのオファーを受けて現役引退を決意。「窮地のチームから『助けて欲しい』と言われて心に刺さった。(満足にプレーできなかった)悔しさで1年間続けるよりも、その先のことを見据えた。次のキャリアに向けて一歩目として、いち早く勉強したい」。熟考を重ねた上、古巣に恩返しすることを決めた。
会見が終わると、母の千寿子さんから花束を贈呈された。「今まで花束をもらう機会がなかった。照れくさいので伝えられなかったですが、ありがとうございます」と感謝。今後は主に佐賀県と石川県で活動しながらサッカー界に貢献していく。(中田 康博)