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中谷潤人、4階級上の相手とスパー 統一戦など夢の対決へ向けて「KOシーンを見せたい」

スポーツ報知 2025年1月30日 6時0分

◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・中谷潤人―同級6位ダビド・クエジャル(2月24日、東京・有明アリーナ)

 WBC世界バンタム級王者・中谷潤人が28日(日本時間29日)、強化合宿地の米ロサンゼルスで、スポーツ報知などのリモート取材に応じ、順調な調整ぶりを披露。自身より身長が高いWBC同級6位ダビド・クエジャル対策として、4階級上のライト級選手らと実戦練習を重ねている。希望する統一戦や米国での試合、さらにスーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(31)=大橋=との夢の対決に向けて落とせない一戦に「KOシーンを見せたい」と意欲を示した。

 中谷は終始リラックスして取材に応じた。「緊張感を持って、いい感じで練習できている。1か月前計量もパス。いつもより体重が落ちるのは早いです」

 現地7日のロス入り後、スパーリングは週4回で、1日最長は11ラウンド。すでに75ラウンドを消化した。「今回は新しい選手とすることが多い。探りながらできるので新鮮で、刺激的。背の高い選手が多いです」。同29日に4度目のスパーを予定するエイドリアン・セラーノ(米国)はなんと、4階級上のライト級。アマチュア時代に全米大会で7度、頂点の座に立った経歴を持つ。今回の挑戦者は身長174センチで、173センチの中谷が自身より背の高い相手と戦うのはプロ30戦目でもレアケース。「動き的にも似ている部分がある」と“仮想クエジャル”として申し分なく、計24ラウンドを重ねたが「ライト級選手と、これだけの定期的な実戦練習は初」という。

 「今回は、統一戦につなげる試合と思っている」と中谷。IBF王者・西田凌佑(六島)が対戦を希望しており「そういう声が上がると意識するし、決まっていきやすい」と前向き。一方、昨年契約した米興行大手トップランク社のボブ・アラムCEOが海外メディアに「今春、井上が試合を予定するラスベガス興行に中谷も呼びたい」と発言。これについても「海外から求められていると感じる。モチベーションの一つ」と胸を躍らせる。

 さらに、井上陣営が年内に一度フェザー級に上げた後に「対戦すべき相手がいる」とスーパーバンタム級に戻す計画を披露した。バンタム級の中谷の階級アップを指しているのは明らか。「そういうプランもあるんだ、面白いな」と思った中谷も、来年にも浮上している井上戦を目指す。だが、この日は「僕は僕の感覚を大切にしていきながら、階級の体にフィットさせていく」と話すにとどめた。

 「階級を上げる前には王座統一が必要。それだけに今回は重要」と中谷。「クエジャルは前の手(左手)でフックをいいタイミングで振ってくる。当たると勢いづかせるし、外しながら試合をしっかりコントロールしたうえで、ノックアウトするシーンをお見せしたい」と力を込めた。統一戦やラスベガス決戦、井上戦と夢を広げ、新愛称「ビッグバン」のような爆発的勝利を見せる。(谷口 隆俊)

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