◆シルクロードS追い切り(29日・栗東トレセン)
第30回シルクロードS・G3(2月2日、京都)はソンシが栗東・坂路で追い切り。前走Vから中2週で臨戦してきた素質馬を、山下優記者が「見た」。
名門厩舎の“勝負駆け”から目が離せない。4歳馬ソンシは栗東・坂路で西谷(レースは川田)が乗って単走で追い切り、53秒1―11秒9で勢い良く駆け上がってきた。胸前の筋肉が発達し、高いスプリント適性を感じさせる。中内田調教師は「使っているので硬さはありますが、時計は出ていました。大きな上積みというよりは、疲れを取っての今回ですね」と冷静にジャッジした。
前走の淀短距離Sは、2度目の1200メートル戦だったこともあり、好位からスムーズに抜け出し、着差以上の強さだった。トレーナーも「非常にいい内容で走ってくれました。馬体もボリュームアップして、精神的にも成長してくれている」と前走に高い評価を与えた。だが今回、気になるのがデビューしてから初の中2週でのレース間隔だ。
明確なミッションがある。「高松宮記念(3月30日、中京)に向けて賞金を加算したいのでここへ出走します」と勝負に出た。24年の中内田厩舎のJRA出走回数は232回。詰めて使うことが少ない厩舎だが、そのうち中2週での出走は24回で3勝、2着は中日新聞杯のロードデルレイなど6回ある。連対率は37・5%、複勝率は50%と好走確率が高いのはさすがだ。
前走後のケアもしっかりとできており、26日にも坂路でラスト1ハロン12秒3(4ハロン60秒6)を出していることから状態に不安はない。「ハンデの57・5キロは少し見込まれましたが、きれいな馬場で走れるのはプラス」と指揮官。前走で57キロは克服しており、自分の走りさえできれば重賞初Vが見えてくる。(山下 優)