プロボクシングの世界4団体スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者・井上尚弥(大橋)が29日、第54回内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞の殊勲賞を受賞した。
同日の授賞式には、出席できなかった井上にかわり、元世界3階級制覇王者で大橋ジムの八重樫東トレーナーが出席。井上はビデオメッセージを寄せて喜びを表した。
井上は2024年5月、1990年2月のマイク・タイソン―ジェームス・ダグラス(ともに米国)戦以来となる東京ドーム興行のメインイベントでルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ち。9月には元IBF王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)を7回TKOで下した。12月24日にもIBF&WBO1位サム・グッドマン(オーストラリア)との防衛戦を予定したが、グッドマンが左目上に裂傷を負い、今年1月24日に延期に。さらにグッドマンが同じ箇所を痛めたため、急きょ、WBO11位の金芸俊(韓国)に対戦相手が変更となった。
度重なるアクシデントに加え、対戦相手の金がサウスポースタイルもできるスイッチ選手。実際に試合もサウスポーで戦ったが、井上は不利な状況を克服し、強烈な右ストレートで4回KO勝ちした。
井上の次戦については、ボクシングの“聖地”米国ラスベガスで、WBC1位アラン・ピカソ(メキシコ)との対戦が有力。さらに、サウジアラビアでの世界戦も計画されている。
井上の動画メッセージ全文は以下の通り。
井上尚弥「第54回内閣総理大臣杯 日本プロスポーツ大賞授賞式典のご開催 誠におめでとうございます。
今年も数あるスポーツ団体、選手の中から『殊勲賞』という、素晴らしい賞を頂き大変光栄に思います。
本来であれば会場にお伺いさせて頂きたかったのですが、メッセージとなってしまい申し訳ございません。
先日1月24日の4団体防衛戦では直前での試合日程の変更や対戦相手の変更など、これまで経験のないアクシデントもありましたが、無事勝つことができました。
本当に応援ありがとうございました。
昨年は3試合を行う予定でしたが、先ほどの日程の変更で2試合になりました。
ただ試合に関してはどちらもKOで終えることができ、特に5月の試合ではマイク・タイソン以来34年ぶりの東京ドームでの興行という事で、自分にとっても貴重な経験になりました。
今年は海外でのビッグマッチも行っていきたいと思っていますし、さらに精進していきますので引き続き期待して応援して頂けますと嬉しいです。
この度は本当にありがとうございました。」