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小野花梨「一段高いスタートライン。身の引き締まる思い」…日テレ系「私の知らない私」でドラマ単独初主演

スポーツ報知 2025年1月31日 11時0分

 女優・小野花梨(26)が、日本テレビ系「私の知らない私」(木曜・後11時59分)でドラマ単独初主演に挑んでいる。1年間の記憶を失ったヒロインが、やがて秘密を知るサスペンス。「自分の中で一段高いスタートラインに立たせていただけて、身の引き締まる思い」と、デビュー20年目の大役にエネルギーを注いでいる。(筒井 政也)

 1か月も眠っていた芽衣(小野)が目覚めると、直近1年間の記憶が消えていた。目の前には知らない婚約者の医師(小池徹平)がいて、憧れの仕事に転職。幸運をつかんでいたようだが、新しい職場の同僚・相沢(兵頭功海)から「あなたは人殺し」と告げられ、親友・翠(馬場ふみか)からひどい仕打ちを受ける…。風間俊介とダブル主演した「初恋、ざらり」(23年、テレビ東京系)以来のドラマの主役は、スタッフが長い歳月をかけた完全オリジナル作。小野は「そんなチームで真ん中の役柄をいただけた。その熱量に負けないように」と、緊張感を持って撮影に臨んだ。

 台本は撮影前に全話、用意されていた。意外にも、撮影においてはこれが思わぬ苦戦につながった。「普通は結末が分からないまま撮影しますが、今回は1話目も11話目も一緒に撮ることができる。これが大変で! 記憶喪失の役なので、今、自分が何を思い出していて、何を思い出していないのか…。2000ピースぐらいのジグソーパズルを作るように、毎日、慎重に組み替えて、感情の時系列を確認しています」

 難しい撮影のなか、題名通り「知らない私」への気づきもあった。「最近、マネージャーさんから『花梨は頑固だから思い込みが強い』と。自覚がなくて。お仕事においては『こっちの方がいいんじゃないか』と突っ走ってしまう。集中力の意味ではいい部分でも、作品はたくさんの人の力の合体。今回、まさに必要な視線ですね」。2006年の子役デビューから20年目で、改めて痛感したという。

 長いキャリアにおいても、喪失し得ない言葉がある。12歳で出演したドラマ「鈴木先生」(11年、テレビ東京系)の生徒役のメイン回では、監督から「仕事、とりあえず辞めるなよ」と声をかけられた。「イバラの道ではあるので、きっと『辞めなきゃいいことあるよ』の思いを込めて、いただいた言葉だと思うんですけど、その一言だけで、何とかやれた」と振り返る。「プロミス」のCMで共演したダウンタウン・浜田雅功(61)には、ドラマ「罠の戦争」(23年、フジテレビ系)について「本当に良かった。とってもステキだった」と称賛された。「私はSNSをやってなくて、頑張った作品の感想を直接いただくことが少ない。思いがけず浜田さんに褒めていただいたことがうれしかった。きっと、この作品も思わぬ誰かに届くじゃないかと、浜田さんの言葉を思い出します」

 NHK大河ドラマ「べらぼう」にも出演するなど絶好調。ただ、将来について、自ら方向を決めることはしていない。「スタンスはあまり変わらないのでは。何かを望むというより、自分自身を強く求めてくださる場所に行けたら。そこに行って、地続きで何かが作られていくと思うので、心の窓口を広げておきたい」。新たな可能性に遭遇し“知らなかった私”にも出遭うに違いない。

 ◆小野 花梨(おの・かりん)1998年7月6日生まれ。東京都出身。26歳。TBSテレビ系ドラマ「嫌われ松子の一生」(06年)で子役デビュー。映画は「チーム・バチスタの栄光」(08年)で初出演し、「プリテンダーズ」(21年)で初主演。映画「ハケンアニメ!」(22年)の演技で、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。4~6月には東京、大阪、新潟、長野で、長澤まさみ&森山未來のダブル主演舞台「おどる夫婦」に出演する。

 ◆5話(2月7日放送)あらすじ 父・健次郎(石黒賢)から菊の花束が届いた翠は、今まで連絡がなかったはずにもかかわらず、なぜ?と恐怖を感じていた。一方、芽衣は相沢から、翠の元にも過去に「お前は人殺しだ」と書かれた手紙が届いた話を聞く。「翠がなぜ芽衣に執着してひどいことを…と思っていた方も、まさか翠に寄り添える日が来るなんてというような展開も。サスペンスがベースでありながら、今後はヒューマン要素が強く乗っていく感じです。反響が楽しみ」(小野)。

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