ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、ロサンゼルス近郊で今月発生した山火事で甚大な被害を被った同西部の高級住宅街・パシフィックパリセーズの消防署を訪問した。
ド軍同僚のB・カスペリアス投手、G・シーハン投手と訪れた大谷は背番号17のユニホームを羽織り、消防隊員に感謝を伝えた。写真撮影やサインにも応じたほか、はしご車後部の運転補助席に座ってハンドルを握り、サポートを行った。ドジャースからは35万ドル(約5400万円)が寄付された。同消防署で消防隊長を務めるT・キタハタさんが取材に応じ「(今回の山火事関連で)まだ働いている人たちもいる」と話す一方で「ドジャースが感謝の気持ちを伝えに来てくれたことはとても意味のあること。私たちは彼らを英雄として見ているので」と笑みを浮かべた。
またA・バンガーペンさんは「隊員一人一人が選手と直接話せたことは本当に貴重でした。消防士は24日間もここで活動を続けています。多くの隊員はまだ自宅に帰れていませんし、特に最初の1週間は誰も眠る時間がありませんでした。そんな中で、ドジャースの選手たちが来て、私たちをサポートしてくれたことは、隊員たちにとって本当に大きな励みになりました」。バンガーペンさんは大谷と直接話さなかったというが「(大谷は)英語で隊員たちに話していました。多くは語りませんでしたが、パワフルな言葉でした。その短い言葉が我々には多くの意味がありました。彼は『本当に感謝しています。この地域を守ってくれてありがとう』と言っていました。私はその言葉をはっきりと聞きました」と対面した時のことを振り返った。
16日(同17日)には山火事被災者を支援するため50万ドル(約7800万円)を寄付することをインスタグラムで発表した大谷。出席予定だった25日(同26日)の「全米野球記者協会(BBWAA)ニューヨーク支部主催の晩さん会」は山火事のことを考慮して2年連続の出席は辞退したが、ビデオメッセージで2分58秒のスピーチを披露。英語で「家を失い、愛する人を失った全てのご家族に心からお悔やみ申し上げます」、「私はこの賞(ナ・リーグMVP)をロサンゼルスの街全体と、救急隊員、消防士、消防署をはじめとした英雄的な献身を持って火災に立ち向かった全ての皆さんにささげたい。強く、団結しましょう。私たちなら乗り越えられます」などと話していた。
ドジャースも10日(同11日)に球団公式SNSを通じ「壊滅的な被害に心を痛めています。地域のパートナーや被災地と緊密に連携しており、今後数日中に当面の取り組みと進行中の活動について発表する予定です」などと発表。「LA Strong」とプリントされたTシャツの売り上げ金を寄付するなど数々の支援策を実施し、28日(同29日)にはカリフォルニア州のニューサム知事がド軍やオーナーのウォルター一家が運営する財団が最大1億ドル(約156億円)を復興支援のために提供することを発表していた。