ソフトバンクから加入した巨人・甲斐拓也捕手(32)が31日、未知の自身との遭遇へ胸を躍らせた。昨季までパ・リーグで戦ってきた男にとって、いわば“新セ界”での挑戦。元同僚の栗原から移籍後に贈られたチームカラーのオレンジのネクタイを「ずっと大切に使います。1年間使い続けます」と首元に締め、現在の率直な胸の内を明かした。
「何をするにしても初めてのことばっかりなので、ワクワクしています。新たな自分に出会えるかなと思っていますし、緊張感もありながらやっています」
これまで4度頂点に立った日本一請負人。捕手として、まずは新天地で忙しい時間が進みそうだ。「開幕まで本当に時間がないので。キャンプでは自分の中での土台を早くつくりたい。(投手陣に)僕というものを理解してもらえるように、僕も投手陣のことを理解できるように」と引き締まった表情で話した。
既に28日からの宮崎合同自主トレでは、ブルペンで積極的に投手の球を受け、意思の疎通を図ってきた。それでも「まだまだやるべきことはたくさんある。もっと密に話をしていくことも必要になってくる。実戦が始まってくると、もっと内容の濃い話になってくると思う」と広く、深く投手との時を刻んでいく。
岸田、大城卓らと争っていく正捕手の座。「本当にいい捕手陣なので、そこに自分が入っていくということでしっかりと競争し合って、自分もいいものを出せればと思っています」。新たな舞台でのプロ15年目が、いよいよ本格的にスタートする。(田中 哲)