西武・源田壮亮内野手(31)が遊撃のレギュラー返上を志願していたことを、西口文也監督(52)が31日、明かした。かねてチーム唯一のレギュラーと公言されていたが、昨年末に不倫問題が発覚。西口監督と話し合う中で「もう一度、一からやり直したい」と申し出た。指揮官も受け入れて“内定”を取り消した。野球に真摯(しんし)に取り組み、ファンの信頼を勝ち取るため、もう一度競争に身を置くところから出発する。
もう一度、信頼を取り戻したい―。源田の覚悟が、行動となって表れた。昨年末、不倫問題が発覚した主軸と、西口監督は話し合いを持ったことを明かした。「本人が『もう一度、一からやり直したい』ということで、9つのポジションは白紙の状態でいこうかな、と」。源田は遊撃のレギュラーの座を、自ら返上すると申し出ていた。
7年連続7度のゴールデン・グラブ賞を受賞した名手で、侍ジャパンでも不動の正遊撃手として君臨するチームの中心的存在。昨年10月に就任した指揮官はかねて「レギュラーは(遊撃の)源田だけ」と公言していた。その中で醜聞が世間をにぎわせ、1月12日に事実を認めて謝罪。「たくさんの方にご迷惑をおかけして申し訳ない。時間はどれだけかかるか分からないけども、何とかまた野球で応援していただければ」と信頼を回復するため真摯に取り組むことを明かしていた。
西口監督は責任を痛感する背番号6について「そういう気持ちをしっかり受け止めて」と了承し、全ポジションのレギュラー白紙でのスタートを決断。「(源田が遊撃の)最有力候補ではある」と言いつつも、競争を勝ち抜くことを期待。「そういう気持ちでやってくれて今年いい成績を残してくれれば、チームにとってもありがたい」と奮起を促した。
球団3年ぶりとなる2月1日キャンプインに向けてチームはこの日、宮崎入り。空港で行われたセレモニーでは日南市民の歓迎を受けた。「身の引き締まる思い。やってやろう、やり返したい」と指揮官は意気込んだ。昨季、球団ワースト記録の91敗を喫した西武。全ポジションが白紙の状態から、屈辱の最下位からの逆襲へ踏み出す。(大中 彩未)
◆源田の不倫問題 源田を巡っては、昨年12月に「週刊文春」などの報道で不倫が発覚。1月12日に埼玉・所沢市の球団施設で会見し、報道を事実と認め「本当に申し訳ない」と謝罪した。会見前には、元乃木坂46でタレントの妻・衛藤美彩(32)とそれぞれインスタグラムを更新。謝罪の気持ちとともに「野球人生の最後までプレーで信頼を取り戻せるよう全力を尽くす」などと記していた。