阪神・藤川球児監督(44)が1日、“宇宙人”との交信に成功!?した。沖縄・宜野座キャンプ初日から持ち前の話術で積極的に選手とコミュニケーション。そんな中、ブルペンで最もトークを弾ませた相手が現役ドラフトで巨人から加入した畠だった。指揮官がその内容を満面の笑みで明かした。
「彼(畠)が『僕とコミュニケーションを取るのが難しいかもしれないです。宇宙人と言われます』と言っていました(笑)。巨人に(現役ドラフトで阪神から)移籍した馬場投手も宇宙人みたいなところがあったんで(笑)。楽しいし、おもしろいと思いながら」
巨人時代に天然の愛されキャラで独自の世界観を持つことから、同僚に「宇宙人」と呼ばれていた右腕。さすがの球児監督もファーストコンタクトでまさかの告白をされて笑ったが、野球に対する真っすぐな姿勢もすぐさま感じ取った。
「しっかり(軸足で)立ってから投げるように」と、投球フォームの助言を送った際の反応に「素直で真剣ですよね」と感心。21年に自己最多52登板を果たした畠は投球練習でスライダー、フォークなど変化球を交えて59球を投じた。新天地での再ブレイクに向け、「生まれ変わったと思って一生懸命頑張りたい」と決意をみなぎらせた。
もちろん、藤川監督は交流を図るだけでなく、キャンプインと同時に精力的に動き回った。午前9時からの小幡、山田、高寺の早出特守をチェックすると、全体練習後の大山、佐藤輝らの個別ノックも「彼らの表情を見たかった」と居残って熱視線を送った。「選手たちの状態も良くて、非常に満足しています」。宿敵から移籍してきた背番号36をはじめ、充実した戦力を一つに束ねていく大事な1か月が始まった。(小松 真也)
◆藤川監督に聞く
―今春キャンプのテーマ
「『没頭』というところと『姿勢』。没頭している姿はファンの方々に言葉はなくても非常に力強く、時に怖く、激しく映ると思います。そういった姿勢ですね。もう一つはこちら側の『凡事徹底』。勢いのある選手たちの動向、コンディション等々をしっかりと見守りたい」
―取り組む姿勢で目に留まった選手は
「まず主力選手たち。自分に向き合っているし、周りの選手も気にかけて非常にバランスが取れている」
―ドラフト1位・伊原が初日からブルペン入り
「健康で何よりです」
―新外国人のデュプランティエとネルソンも投球練習
「(来日3年目の)ビーズリーが2人に阪神のキャンプ中のメディアの多さなどを説明して『力が入りすぎないように』とか。投手コーチも助かるし、強固な関係が開幕までにできれば」
◆阪神の近年の新監督キャンプ初日
▼2016年 金本監督は、4年ぶりにチームに戻り初日から80球を投げた藤川球児をクローザーにする構想を明かした。「(目立っていたのは)残念ながら藤川球児。若い選手におーっと言いたかったが」と評価した。
▼19年 矢野監督は初日から出発時間を変更。チームバスを3便に分け、最も早い便は午前8時半前にグラウンドへ到着。10時から始まる全体練習を前に、新加入の西勇ら多くの選手が早出で汗を流した。
▼23年 岡田監督は沖縄・宜野座キャンプ20周年の歓迎セレモニーで「アレを目指して宜野座村でスタートし、シーズンでアレを勝ち取り、アレの喜びを宜野座村の皆さんとも分かち合いたい」などと“アレ(優勝)9連発”で決意表明。