◆卓球 全農杯全日本選手権 ダブルスの部 最終日(2日、豊田市総合体育館)
男子ダブルスの小林広夢、伊藤礼博(日大)組は準決勝で敗れ、連覇を逃した。飯村悠太、木方圭介(明大)組に2ゲーム先取から逆転を許し、2―3で競り負けた。
ペアで戦う最後の大会だった。大学4年生の小林は卒業後も卓球を続ける意向だが、1学年下の伊藤は税理士を目指すため、大学4年間で競技に区切りを付ける。そのため、組むのは今大会が最後と決めていた。小林は準決勝を「2―0から相手にうまく戦術転換されて、最後まで引きずってしまった」と反省。その上で「決勝まで行かせてあげられなかったのは本当に申し訳ないけど、伊藤と3年間やれたことには感謝の気持ちでいっぱい」と心境を語った。
3年前、小林から声をかけてペアを組んだ。昨年は決勝で張本智和、森薗政崇組を破って日本一にも輝いた。小林は「卓球では厳しく当たっちゃっていたけど、それでも嫌な顔一つせず付いてきてくれたお陰で昨年は優勝できて、今年もベスト4までいけた。伊藤じゃなかったら無理だった。3年間ありがとうございます」と感謝を伝えた。
先輩の思いを隣で聞いていた小林は「ダブルスを組んでるときは嫌いになりそうな瞬間が結構あった」と打ち明けて笑わせた。そして、言葉を続けようとしたところで感情があふれ出した。「優勝、したかったんですけど…。でも最後、楽しく試合できたので。広夢さんには来年、ペアは自分じゃないけど、優勝していただけたらうれしい」と願いを託した。