創設2年目のウエスタン・リーグくふうハヤテは2日、本拠地のちゅ~るスタジアム清水でキャンプインした。雨の影響で室内練習場中心のメニューとなったが、観客300人が訪れた初日に、前DeNAのチーム最年長・田中健二朗投手(35)がブルペンに一番乗り。オール直球で40球を投げ込み、強い意気込みを示した。チームが初年度最下位からの巻き返しを目指す中で、母校の常葉大菊川がセンバツ出場。07年V左腕がNPB復帰への思いを強めた。
気温7度と冷え切っていたが、まっさらなブルペンに田中が足を踏み入れた。丁寧にキャッチボールをして肩をつくった後、捕手を座らせてオール直球で投げ込んだ。40球目、最後の一球がキャッチャーミットに収まると、表情を緩めた。「この時期にしては、ある程度投げられた」。ベテラン左腕が着々と準備を整えている。
36歳シーズン、くふうハヤテ2年目を迎える。母校である常葉大菊川野球部のセンバツ出場(3月18日開幕)が決まった。「甲子園という舞台をどのチームの誰よりも楽しんで」とエールを送ったが、2007年センバツ優勝投手として、後輩に負けてはいられない。「やる気に満ちあふれている。自分の目標に向かってやるだけです」。目標は変わらず、「セパ(NPB)に復帰することです」とキッパリ言い切った。参入初年度だった昨季、28勝84敗8分けで最下位に沈んだチームは今季、成り上がりを目指している。18登板して0勝1敗3セーブ、防御率1・40だった左腕は、NPB復帰に向けた2年目のチャレンジを続ける。「1年間通してけがをしないこと、複数イニングを投げられるように」。ブルペンに一番乗りして、意識の強さを見せた初日だった。
昨年9月29日、本拠地で行われたシーズン最終阪神戦では1点リードの9回にマウンドに上がったが2失点で敗戦投手になった。「今年はしっかりとそういったところで甘えが出ないように頑張りたい」。藤岡好明投手(39)、福田秀平外野手(35)が退団してチーム最年長になった。マウンドで存在感を放っていく。(伊藤 明日香)
◆開幕までのスケジュール キャンプは27日まで、本拠地のちゅ~るスタジアム清水で行われる。オープン戦は4試合を予定しており、16、18日にはオイシックス戦(ちゅ~るスタジアム)を実施。来月1日からは春季教育リーグが始まり、中日、広島、ソフトバンクと計7試合を戦う。3月14日に本拠地でオリックスとの開幕戦を迎える。