日本ハムの山本拓実投手(25)が2日、沖縄・名護キャンプで初めてブルペン入りし、32球を投じた。昨季は36試合に登板し、防御率1・82を記録。すでに開幕守護神が内定している田中正義投手(30)、斎藤友貴哉投手(30)に待ったをかけ、クローザーの座を奪い取る覚悟を示した。
気温19度、小雨が降る肌寒いブルペンで半袖姿の山本拓が小気味のいい投球を披露した。「最初のブルペンで力が入ってしまうので、一番遅い球で体を使って投げられるように」とカーブを中心に直球、シンカー、カットボールの全32球。直球の最速は150キロをマークした。「出力は例年になく、すごくいい感じ。技術的なところはこれから詰めていく」と初ブルペンに一定の手応えを示した。
強烈なライバル心を燃やしている。昨年11月のファン感謝イベントで新庄監督が開幕守護神に田中、斎藤を指名した。「今はあの2人が指名されていますけど、『やっぱり僕(山本)で』って変更させたい。その気持ちでオフは取り組んできた」。淡々とした口調から同じ救援右腕へ対抗心をあらわにした。
昨季は36試合登板で防御率1・82、救援のみで6勝を挙げ、キャリアハイの数字を残したが、当然満足はしていない。「リリーフでやっている以上、よりいいポジションで投げられた方がお金も稼げますし、最多セーブ、最優秀中継ぎ、オールスターを目指してやっていきたい」。昨季は負けていたり、大量リードしている状況での登板が多かったが、8年目の今季は方程式入り、自身初のタイトル獲得を狙っている。
23年の6月に中日からトレード加入した25歳は「動きやすいので」と今年もストッキングのオールドスタイルを継続する。身長167センチ、最速155キロの剛腕が新庄ハムの守護神内定に待ったをかける。(川上 晴輝)
◆山本 拓実(やまもと・たくみ)2000年1月31日、兵庫県生まれ。25歳。市西宮高から17年ドラフト6位で中日に入団。23年6月に2対2の交換トレードで郡司と共に日本ハムへ移籍。167センチ、79キロ。右投右打。推定年俸3200万円。既婚。