Infoseek 楽天

6日に米女子ツアー本格参戦初戦を迎える山下美夢有に単独インタビュー 「目標はメジャー優勝」

スポーツ報知 2025年2月4日 10時0分

 国内女子ゴルフで2022、23年の年間女王の山下美夢有(みゆう、23)=加賀電子=が3日までに、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。昨年末の最終予選会で日本女子5人目のトップ通過を果たし、今季から米ツアーに参戦する。本格参戦初戦となるファウンダーズ・カップ(6~9日、米フロリダ州)を前に、「目標はメジャー優勝」などと今季の抱負を語った。(取材、構成=富張 萌黄)

 山下がついに海を渡る。昨年12月の予選会で日本人5人目のトップ通過を果たし、米ツアー切符を獲得。日本ツアー13勝を挙げ、2年連続で年間女王にも輝いた若き実力者が、新たな挑戦を前に意気込みを語った。

 「目標にしているのはメジャー優勝。それを目指しつつ、やっぱり向こう(米国)で優勝するっていうのも違うと思うので、優勝を目指してやりたい」

 米ツアー挑戦への大きな転機となったのは昨年。23年もメジャー3試合に出場したが、海外志向が強くなったのは4月のメジャー初戦、シェブロン選手権だった。初めて回るコースで米国への思いが強くなった。

 「コースがやっぱり難しいというか、技術も試されますし、やっていて楽しいけど難しい。そこをどうバーディー取るかとか、パーで切り抜けるかとか。そこで結果を出せたらもっと自信にもなるし、トップ選手しかいない中で強い選手になりたいなと思った。(23年は米国に)行きたいけど、このままじゃ無理やしなみたいな。中途半端な気持ちだった。この気持ちのままいっても絶対、結果が出ないなと思った」

 昨年はメジャー全5試合に出場。8月にはパリ五輪で日の丸を背負った。初めてのスポーツの祭典はメダルに1打届かなかったが、独特な雰囲気に大きな刺激を受けた。

 「オリンピックは、あまりどんなものか想像もできなかった。出てみて、日本代表選手として戦っているのも感じられた。自分で考えてというのはいつも通りなんですけど、その中でもっとたくさんの方がサポートしてくれたり、環境がすごい良かった。でも、その中でメダル取りたい気持ちは強く思ったので、また4年後(ロス五輪)に出れたらいいなと思う」

 今季初戦は6日開幕のファウンダーズ・カップ。予選会から約2か月と短いオフはショットの方向性や、スイングを中心に調整した。米国ではゴルフ以外にもスポーツ観戦や旅行など、楽しみにしていることが多くあると、渡米前に胸を高鳴らせている。

 「めっちゃ楽しみ多いです。アメフトとか野球を見たい。もちろん、大谷(翔平)さんを(笑) 人混みは慣れてなくて疲れちゃうんで、自然なところに行きたい。ナイアガラの滝が、水に入って近くで見られるので、めっちゃ行きたい。ほんまは(苦手な)向こうのジャンクフードとかも食べたい」

 8月には24歳を迎える。年女としてに新たな道に進む山下。昨年は笹生優花、古江彩佳の2人のメジャー優勝を目の当たりにし、続きたい思いを抱いた。目標達成を目指し、“ルーキーイヤー”が幕を開ける。

 「同級生(笹生)も優勝していますし、いい刺激をもらっている。私もついていけるようにというか、優勝したいなと思った。初めての環境での戦いなので、強い気持ち持って出る試合は優勝を目指して、頑張りたい」

◆山下 美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。23歳。5歳から父の影響でゴルフを始める。大阪桐蔭高3年時の19年に全国高校選手権で優勝。同年11月のプロテストに合格し、21年KKT杯バンテリンレディスで初優勝。22、23年は年間5勝ずつを挙げ、2年連続で年間女王に。通算13勝(うち国内メジャー3勝)。150センチ、52キロ。家族は両親と弟、妹。

【取材後記】

 インタビューは1月、兵庫県内のゴルフ場で行われた。寒空の下での取材となったが、山下らしい笑顔を交え、米女子ツアー挑戦直前の心境を語ってくれた。ゴルフの面では昨季から「ショットがしっくりこない」と何度も話しながら、日本ツアー2勝を挙げ、米ツアー最終予選会でトップ通過を果たした。取材後にはすぐさま練習場でショット練習に取り組んだ。アイアンは複数のモデルを持ち込み、調整を重ねた。

 本格参戦1年目から米国に拠点を構え、食事管理のスタッフを用意する予定だと話していた。ルーキーイヤーは日本を行き来する生活を送る選手が多いが、腰を据えて挑戦するという強い意志がひしひしと伝わってきた。コーチを務める父・勝臣(まさおみ)さんは日本に残り、時々米国に足を運ぶという。大きな覚悟を持って臨む今季。国内2年連続年間女王の実力を、遺憾なく発揮してほしい。

この記事の関連ニュース