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巨人・阿部監督「あ、いたの?って感じ」存在感薄い浅野に極寒ノック

スポーツ報知 2025年2月5日 5時0分

 巨人の浅野翔吾外野手(20)が宮崎キャンプ第1クール最終日の4日、阿部慎之助監督(45)から熱血個人ノックを受けた。大寒波の影響で異例の寒さとなり、ほぼ全メニューが室内に変更となる中、突風が吹き荒れる屋外で居残り特守。指揮官が「全く目立ってない。あっ、いたの?って感じ」と存在感の薄さを指摘する中、1軍メンバー最年少の浅野は大声を出してヘトヘトになるまで白球を追った。

 腹の底から叫んだ。外野ノックの居残り特守に1人で臨んだ浅野は「お願いします!」と両手を上げた。だが、80メートル先のノッカーの阿部監督は耳に手を当てて聞き返す動作。最大瞬間風速22・8メートル、最大風速13メートルを記録した突風の轟音(ごうおん)にかき消され、声が通らない。宮崎では異例の寒さの中、B球場で約40分間の熱血鬼ノック。前後左右に走り回り、時に滑り込み必死に白球を追った。

 木の花ドームでの全体練習後、阿部監督は浅野の第1クール4日間について「いや全く目立ってないよね。あ、いたの?って感じだもん」と辛口のコメント。キャンプ前、1軍最年少の20歳は「元気を出して、どこにいるかという存在感を出したい」と意気込んでいた。それだけに「そうやって自分で言ってるんだったらもっとやれよと思って」とバッサリ。浅野への鬼ノックのため隣接するB球場に移動した。

 突然の指揮官の“襲来”に、浅野は「何も知らなかったです。急に来ました」と覚悟を決めた。松本外野守備走塁コーチから、送球につなげやすくするために「ジャンプしながら捕球して。そのためには早く落下点に入らないといけないから」と助言も受けながら特訓。「もっと高く!」と鼓舞しながらノックバットを操る阿部監督の愛のムチに応えようと必死に動いた。

 気温7度だったが、スタッフのスマホアプリでは体感温度「マイナス2度」と表示されるほど極寒だった。それでも、強風で打球が流される屋外であえて外野ノックを受けることに意味があった。途中、守備位置とノックを打つ位置を真逆にして入れ替え、逆風と追い風2パターンで練習。浅野は「この風に慣れたらドームとか普通の球場はだいぶ楽にいける。少しずつでも成長できたら」と貴重な経験を積んだ。

 昨年は8月から1軍に定着してプロ初の満塁本塁打など、40試合で打率2割4分、3本塁打、18打点。一方で優勝争いのシーズン終盤に守備でゴロを後逸、痛恨の失策という苦い経験もした。阿部監督は「スターになれる素質がある」と期待し、攻守のレベルアップを求める。レギュラー獲得へ守備力向上は不可欠。だからこそ、厳しい環境下でノックの雨を降らせた。

 指揮官の直接ノックは2日の秋広に続き今キャンプ2度目。浅野は「ありがたいです。秋広さんのやつを見たので頑張ろうと思って」と前向きに取り組んだ。内野の布陣次第では左翼に岡本が入る可能性もあり、外野争いは大激戦。「守備も打撃もスケールアップできたらと思っている。元気を出してやっていきたい」。大寒波を振り払う熱血指導を受け止め、気を引き締めた。(片岡 優帆)

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