全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上在籍する記者投票で決まる米野球殿堂入り。今年の有効投票394票のうち、約81%の321票が4日(日本時間5日)に公開されたが、史上2人目、野手では史上初の満票選出を1票差で逃したマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(51)に投票しなかった1人の記者は明らかにならなかった。
この日公開された321枚の投票用紙には全てイチロー氏の名前があったためだ。米スポーツ専門局「ESPN」のJ・パッサン記者は「イチロー氏に投票しなかった1人は謎のままである。(私は誰もが投票用紙を公開すべきだという当たり前のことを述べる。説明責任は重要だ)」と改めて疑問を呈した。
1月21日(同22日)に結果が発表された今年の米野球殿堂入り。有資格1年目のイチロー氏は当初からアジア人初の殿堂入りが確実視され、注目ポイントは満票か否かだった。結局、394票のうち393票を集めて得票率99・746%は史上3位だったが、M・リベラ氏(ヤンキース)以来の満票を逃し、「ニューヨーク・ポスト」紙のJ・ヘイマン記者が自身のXで「(投票しなかった1人は)前に出ろ、バカ野郎」と激怒するなど、現地でも波紋を呼んでいた。
イチロー氏は23日(同24日)にニューヨーク州クーパーズタウンの米野球殿堂博物館を訪問。メディア対応では満票に1票足りなかった投票結果について言及し、「どうやら1人投票してくれなかった人がいるようですが、是非自宅に招待して一緒にお酒を飲みたいので、シアトルまでお越しください」と呼びかけ、場内の笑いを誘ったが、現状では“未解決事件”のままとなっている。