大相撲の序ノ口・錦丸(朝日山)が5日、東京・墨田区の両国国技館で行われた健康診断を受診した。順調に身長体重などの計測をこなし、体重が自己最多の220キロを更新したことを笑顔で語っていた。しかし、最後に受診した「採血」でアクシデントが起こった。
最初に右手の甲に針を刺したが、採血に失敗。後ろで控えていた三段目・炎鵬(伊勢ケ浜)も心配そうに見つめていた。その後はゴムチューブで腕を締め付けて、血管を浮き上がらせようとしたが、厚い筋肉の下に隠れた血管は見つからず。逆に腕の太さに耐えきれず、結んでいたゴムチューブがはじけ飛んだ。
血管探しに悪戦苦闘する中、25分が経過。すでに検診の終了時刻をすぎ、周りにいた担当者総出での血管探しが始まった。錦丸もたまらず「もうとりあえず、刺しちゃいましょう」と焦りのいろを見せ始めた。大捜索の末に、2針目を右腕に刺したが、これも不発に終わった。
結局、力士の採血に慣れている相撲診療所での延長戦へ。診察室にこもること20分。採血を終え、左肘付近に止血テープを張った錦丸が笑顔で姿を見せ、「ホッとした。このまま血が採れなかったら、ずっとここに残ることになるかと思った」と安どの表情を浮かべた。
過去にも同様の経験があり、一日に7回刺して、翌日再度採血を行ったこともあったという。錦丸に付き添った同部屋の三段目・志摩錦も「朝から何も食べていなくて腹ぺこ」と、疲れ果てた様子。検診会場に到着したのは11時、誰もいなくなった会場を出るときには時刻は12時30分を回っていた。(大西 健太)