東京Vが5日、都内のヴェルディグラウンドで全体練習を行った。
昨季10得点をマークし、今季から背番号「10」を背負うFW木村勇大は、ハーフコートで行われた実戦形式で豪快なヘディングシュートを決めるなど、軽快な動きを披露した。
身長185センチ、体重84キロの恵まれた体格で、フィジカルの強さを生かしたプレーが大きな魅力だが、唯一苦手なことがあった。
「(昔から)あまりヘディングが好きじゃなかった。怖いじゃないですか、相手と当たっちゃうのも嫌だったし、踏まれるのも嫌だったから、昔から全然やってきてなくて…ヘディングという概念はなかった」
昨季頭での得点はわずかに1点だった(右足7点、左足2点)。ただ、それこそが伸びしろ。クロスを頭で合わせる得点パターンが増えれば、おのずと昨季以上の得点量産も期待できる。キャンプでも重点的に取り組んできたことを明かし「あまり得意じゃなかったけど、キャンプで(コーチの)奈良(輪)さんと毎日やり続けたので、少しずつそこに対しての苦手意識はなくなってきた。去年より得点を決めるためには、クロスからの得点の形を増やすことが一番だと思う。ワンタッチが一番簡単なゴールなので、そこの質を上げることと、いいポジションに入るところは去年以上にこだわってやっている。それをいい形で試合につなげたい」と意欲を示している。
苦手克服のために積み重ねてきた練習は、少しずつ実を結ぼうとしている。実際にこの日の練習もクロスを合わせた豪快な頭での一発だった。「ヘディングも出来ますよとなったら、もう1個上の段階にいけると思うので頑張ってます。ヘディングやるやつのヘディングに形はなってきた。(練習で)ヘディングで決められたのでうれしかったです」と笑みを浮かべた。
サイドには宮原、翁長、福田ら精度の高いクロスを配給できる選手がいるだけに、進化を遂げたエースが空中戦を制することが出来れば、それこそチームの底上げにもつながる。「クロスからの得点は全然なかったので、その形でも取れたらまた自分の良さが生きやすい。どんな形からでも点を取れるFWが一番いいので、今年はクロスからのゴールというところに重きを置いてやりたい」。今季も1トップを託される可能性の高いエースが、進化した姿を開幕・清水戦(16日・国立)から示していく。