Infoseek 楽天

原田雅彦スキー連盟会長がミラノ五輪へ意気込み メダルは「スキーとスノーボードで8個。この数字は最低ライン」

スポーツ報知 2025年2月6日 11時20分

 ミラノ・コルティナ冬季五輪開幕まで6日であと1年。スキー・日の丸飛行隊の金メダリストから全日本スキー連盟の会長として迎える大舞台へ、原田雅彦氏(56)は熱い思いを語った。

******

 98年長野五輪のジャンプ団体金メダリストの原田氏は、全日本連盟の会長として迎えるビッグイベントへ、言葉に力を宿した。

 「メダルを何個目指そうという具体的な話し合いはまだしていないが、前回の北京五輪は日本のメダル18個中、スキーとスノーボード競技は8個。この数字は最低ラインだと思っています。スノーボードは選手層も厚くなりメダルを量産できると思う。2月に(ノルディックスキーの)世界選手権があるのでそこで結果を出して勢いをつけて五輪に向かいたい」

 五輪メダリストの会長就任は歴代で初となる。現役時代は、山あり谷ありの競技人生だ。94年リレハンメル五輪団体戦で金メダル確実と言われながら最後に飛んで失敗ジャンプに終わり銀メダル。そこからどんな時でも笑顔と決め、いい時も悪い時も注目される重圧を力に変え、長野五輪の団体金メダルにつなげた。

 失敗から学ぶ―。今季、スノーボード勢は好調とはいえ、ジャンプの男女のエース小林陵侑、高梨沙羅ら調子を上げきれない選手もいる。選手時代の経験を伝えることは、そのまま選手への金言となる。

 「長野の時はジャンプ台に上がったらみんなの声が聞こえて後押ししてくれているような気持ちになりました。飛べるって思ったよね。五輪1年前、選手は成績が出ないとか、緊張もしていると思うけど、話ができる機会があれば話していきたい。選手に寄り添って力になれれば」

 スキー人口の減少、資金難と取り巻く環境は厳しいが、「スキー愛」を掲げ、力強くかじ取りをしていく。

 「海外遠征や合宿が難しいなら、海外の試合を日本でやればいいと思う。ジャンプはW杯を毎年やっているけど、他競技も日本に継続的に招致していきたい。地方とも連携して実現できれば強化につながる。今年2月でスキー連盟は100周年を迎える。みんながスキーを通して笑顔になれる組織にしようというのがビジョン。そのために尽力していきたい」(松末 守司)

 ◆原田氏と五輪

 ▽94年リレハンメル 日本は、団体で2位ドイツに大差をつけて折り返し、アンカーの原田に託された。「普通に飛べば金メダル」と言われながら97・5メートルの大失敗に終わり銀メダル。

 ▽98年長野 団体は3人目。1回目は79・5メートルと再び失敗ジャンプだったが、他選手が踏ん張り4位につける。2回目は137メートルの大ジャンプでしっかり仕事をすると、アンカーの船木が最後を締め金メダル。吹雪の中、「フナキ~、フナキー~」と涙声で声援を送るシーンは五輪史に刻まれる名場面。

 ▽06年トリノ 個人ノーマルヒル予選で、スキー板の長さに対し、体重が規定に200グラム足りずに失格した。

 ◆原田 雅彦(はらだ・まさひこ)1968年5月9日、北海道上川町生まれ。56歳。92年アルベールビル大会から5大会連続で五輪に出場。メダルは94年リレハンメル大会男子団体銀、98年長野大会男子団体金、個人ラージヒル銅。2006年の引退後、雪印メグミルクのコーチ、14年に監督に就任し、21年から総監督。21年6月に日本オリンピック委員会理事、24年10月に全日本スキー連盟会長就任。

この記事の関連ニュース