開幕ローテは戸郷、山崎、グリフィンは確定的で、井上も有力だ。残る2枠を巡って、復活を期す田中将や高橋の実績・経験組と、赤星、横川、堀田、西舘、平内、京本ら若手が競う構図で激しい競争だ。オリオールズに移籍した菅野の15勝分を埋めるため、この残る2枠でどれだけ上積みできるかが大きくなる。
開幕ローテに入った6人が1年間通して回れることが理想ではあるが、そううまくいかない。その点でも候補に何人も名が挙がる層の厚さは、大きな強みだ。誰かが不調や故障となったとき、次にどのレベルの選手が備えているか、というチームマネジメントもシーズンの重要な要素となる。
今、若手がするべきことは、阿部監督に「おっ!? 使ってみようかな」と思わせること。キャンプもこれから実戦的なメニューになり、紅白戦、オープン戦で結果が出る段階に入っていく。首脳陣に“可能性”を感じさせるには、結果以上に内容が必要になる。結果オーライの無失点では魅力は少ない。自分ではなく、ちゃんと打者と勝負できているか。意図した攻めで打ち取れているか。それぞれが、その点にこだわって競争してほしい。(野球評論家・清水 隆行)