◇カーリング日本選手権 第4日(5日、神奈川・横浜BUNTAI)
予選1次リーグを行い、昨年度準優勝の女子A組・北海道銀行リラーズが西日本ブロック代表のチーム大阪を14―1で下して3勝1敗とし、A組1位で2次予選リーグ進出を決めた。第1エンド(E)から江別市出身のフォース・田畑百葉(22)が着実に得点を重ね、第6Eは一挙6得点のビッグエンドとなってコンシード勝ち。来年2月6日開幕のミラノ・コルティナ五輪出場へとつながる初優勝を目指す。
ライラック色のユニホームを着た北海道銀行の選手たちの笑顔が、氷上で広がった。3勝1敗で1次リーグを終え、スキップのサード、仁平美来(22)は「一つ(中部電力に)負けてしまいましたが、チームとしては悪くない形だった」と納得の表情を見せた。
4戦目は相手をほとんどハウス(円)に寄せつけぬ圧勝だった。不利な先攻でスタートしたが、第1Eから2点スチールし、第2Eには3得点のビッグエンド。第5Eのみ1点を返されたが、続く第6Eの一挙6得点で相手の戦意を奪った。
モチベーションの源泉は昨年の悔しさだ。決勝でSC軽井沢クラブに敗れた後、涙を隠さなかった仁平は「去年の負けから日本選手権優勝のために取り組んできた」と振り返る。春から基礎体力の向上に注力し、体幹を鍛えるために、ピラティスのレッスンなどにも取り組んだ。夏は韓国、秋にはカナダに遠征。1月には最高峰の大会とされるカナダのWFGマスターズに参戦し、世界の強豪との6試合を経験した。
この1年で大きく成長した一人がフォースの田畑だ。中学・高校時代に陸上部で鍛えた身体能力は、もともとチーム随一。ウェートトレーニングやエアロビクスでさらに体づくりを進めながらも、取り組んだのは、力みを取り除くことだった。ショットの時に、ハック(離石時の蹴り台)の蹴り出しを緩めることで「伸びやすい石(ストーン)を投げられるようになった」という。精度が高まったショットは相手のミスを誘うレベルにまでなった。
ミラノ・コルティナ五輪開幕まで6日であと1年。21年の東京五輪で田畑は、冬季ユース五輪の日本選手団主将として、高橋尚子さんや三宅義信さんら五輪金メダリストと一緒に日章旗を掲げる大役を務めている。言うまでもなく五輪は憧れの舞台だ。「もちろん(日本選手権で)負けたらない」と現実を見た上で、チャンスをつかんだら「最高のパフォーマンスをしたい」と言い切った。(甲斐 毅彦)