落語家の桂米助、富丸、竹丸が6日、都内で「新宿末廣亭三月上席 桂米丸追善興行」(3月1日~10日)開催会見を行った。2024年8月に99歳で亡くなった落語芸術協会最高顧問・4代目桂米丸さんをしのぶ興行寄席を落語芸術協会、落語協会、上方落語協会、五代目宴楽一門会、落語立川流の5派が協力して行う。
米助は「定席であります新宿末広亭で10日間5団体が一つになる興行は史上初のこと。とにかくうちの師匠米丸は昔から売れっ子が大好きだった。うちの協会だけでは売れっ子が足りないということで、5団体で派手にやってみれば、師匠が喜んでくれるのではないかとこの会を準備しました」と異例の5派協力10日間興行の趣旨を説明。「伯山(の興行)より入るようによろしくお願いします!」と呼びかけた。
初日は笑福亭鶴瓶、綾小路きみまろ、2日は神田伯山、5日は桂文枝ら豪華メンバーが出演し、日替わりでの座談も予定している。出演交渉は米助自ら行ったといい、「全部個人に電話しました。疲れました。でも米丸の追善だというと来てくれる方も多かった。師匠米丸の力だと思います」。それぞれの団体の許可はどのようにとったのか?と聞かれると「団体の許可はとっていません!」と笑いを誘った。
この日の会見も米丸さんから作ってもらったという着物を着て臨んだ3人。5派協力の10日間。「とにかくうちの師匠の追善、お返しというのがあり、それとともに少しでも落語界が変わっていただけたらありがたいなと。若いうちだったら文句も言われたでしょうが、もう私の上にはほとんど人がいませんので。『なにが悪いんだよ』とたったひとつの文句で終わらせられる。だから、思い切ってこうやって(落語界を)変えてみようと思っただけの話です」。寄席が大好きだった師匠へ向けた興行が始まる。(瀬戸 花音)