J1優勝を目標に掲げる鹿島は、新シーズン開幕戦(15日・湘南戦)に向け、茨城・鹿嶋市内で精力的にトレーニングに励んでいる。5日は報道陣に練習を公開。6日は非公開での調整を行った。
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中央寄りの立ち位置となる右MFと違い、左MFは縦への仕掛け、推進力が求められるポジションになりそうだ。
1日のプレシーズンマッチ水戸戦(1△1)では、右サイドからの攻撃が中心となる中、左MFで先発した田川亨介が、濃野公人のシュートを合わせる形で得点を奪った。左右非対称の陣形を組んでいることもあり、左MFはラストパスやゴール前での仕留めなど、決定的な仕事が求められる。アピールに成功する形となった。
後半は左MFに移った鈴木優磨がサイドで起点を作り続け、途中からはチャヴリッチが入って縦への推進力、そしてカットインという武器を披露。5日のサイド攻撃練習では、両利きの師岡柊生、スピードに一日の長がある松村優太も左からのクロッサー役を務めた。
2トップ候補の鈴木、レオセアラ、徳田誉は、いずれもDFラインの背後でボールを受けることを得意とするタイプではない。必然的に、推進型が配置される左MFの前方に広がるスペースは、攻撃時の重要エリアとなる。
田川も「裏抜けのタイミングは言われています。ちょっと早いところがあるので」と微調整を行っていることを明かす。大けがから復帰したばかりのチャヴリッチは、鬼木監督の意向もあって休息日を挟みながら、慎重な調整を進めている。現時点で、開幕戦の先発有力候補は田川だろう。
左サイドバックは安西幸輝の信頼度が高い。右が本職の小池龍太、あるいはCBのキムテヒョンが回るプランも準備しているもようだ。ビルドアップでの貢献、中盤との連係も期待されるポジションだが、左MFと呼吸を合わせられなければ元も子もない。フル出場は考えづらく、90分の中で少なくとも2人以上がこなすであろう左MFをうまく「使える」存在を置きたいポジションだ。(岡島 智哉)