ドジャース大谷翔平投手(30)の預金口座から約1700万ドル(約26億円)をだまし取ったとして、銀行詐欺罪などで有罪を認めている元専属通訳の水原一平被告(40)に6日(日本時間7日)、米カリフォルニア州の連邦地裁は禁錮4年9月を言い渡した。
地検の求刑通りとなり、大谷への賠償金約1700万ドルも命じた。即日収監はされず、3月24日正午までに自ら出頭する。
被告は開廷約40分前にカリフォルニア州サンタアナの裁判所入り。スーツ姿で後ろ髪が襟にかかるほど伸びていた。法廷では「心から申し訳ないと思っています」と話していたという。
昨年3月ドジャースの韓国遠征中に、大谷の銀行口座から約1700万ドルが違法ブックメーカーに不正に送金されていたことが発覚。ドジャースから解雇された。同年5月、水原被告が司法取引に応じ、銀行詐欺罪と虚偽の税務申告罪を認めた。量刑言い渡しは当初、ワールドシリーズ初戦の昨年10月25日に予定されていたが、ギャンブル依存症に関する鑑定を受けるためなどの理由で3度延期されていた。
連邦地検は禁錮4年9月と釈放後3年間の保護観察処分、大谷への約1700万ドルの賠償などを求刑。被告は禁錮1年6月が妥当だと情状酌量を訴えていた。
水原被告は1月23日に提出した書面で、身の回りの世話のため大谷宅近くに家を借りる必要があり、高額な家賃などで出費がかさんだなどと主張。金に困り「やりくりの助け」になると考えてスポーツ賭博を始めたとしていた。
一方連邦地検は連邦地裁に提出した書面で、水原被告が無断で大谷のデビットカードを使い家賃を支払っていた証拠があるとした。被告の口座には「常に多額の残高があった」。ギャンブル依存症については、オンラインカジノでの賭けは23年からであり「長年の依存といえない」と指摘。「多くが証拠に基づいていない」と反論していた。
大谷は12月29日放送のNHKスペシャルで事件について「僕の中ではまだ終わっていない。まだ続いている。その時がどうだった、ということではなくて、それがずっと続いているという感じ」と心境を語っていた。