巨人に新加入したライデル・マルティネス投手(28)が7日、1軍宮崎キャンプ第2クール2日目に初めてブルペン入りし、周囲の度肝を抜いた。捕手を座らせて30球を投じた助っ人に、阿部慎之助監督(45)は「とんでもねえな」と仰天。同時間にブルペンで投球していたエースの戸郷翔征投手(24)も「バケモン」と衝撃を隠せなかった。NPB通算166セーブの新守護神が、キャンプ初の投球練習でいきなり格の違いを見せつけた。
* * * *
マルティネスの投球を捕手の後方から見させてもらった。打者目線で『なるほど、安定した成績を残し続けるわけだ』と改めて納得がいった。
何と言っても威圧感がある。193センチの長身で見上げるような感覚を受けた。球自体も当然、角度と球威がある。足の上げ方を微妙に変えてタイミングを外す技術も備えるのだから、攻略が相当に難しい。
それに加えて、制球力の高さが印象に残った。この日は、そもそもコースや高さの投げミスが少なかったが、狙いのコースから外れたとしても中に入っていかず、高く浮かない。右打者の内角はさらにえぐるように、外角はさらに外に切れるような感じ。甘く入って長打という“事故”が起きにくいだろう。
阿部監督は8回大勢、9回マルティネスの構想を明かしている。絶対的守護神の加入によって、大勢、ケラーらもコンディションを考慮してフレキシブルな起用が可能となるだろう。勝負どころまで、無理のない投手運用をできる層の厚さは何よりの武器だ。(野球評論家・清水 隆行)