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楽天の型破りスターが最速152キロで二刀流猛烈アピール 初ブルペンは“不合格”も「僕は変化球投手」チャレンジ続行

スポーツ報知 2025年2月8日 5時55分

 投打二刀流挑戦を希望している楽天の辰己涼介外野手(28)が7日、沖縄・金武キャンプで初のブルペン投球を行い、最速152キロをマークした。三木谷浩史オーナー(59)、石井一久GM(51)の前で驚異的な潜在能力を発揮したが、結果はスタミナ不足を理由に「不合格」。それでも球界屈指の型破りなスターは「チームが困った時に投げられる準備をしたい」と、挑戦を続ける構えだ。

 「25勝宣言」は、ただのビッグマウスではなかった。1月24日の契約更改で二刀流への意欲を明かし、13年に田中将大(現巨人)が記録した24勝0敗を超える「25勝0敗」を目標に掲げた辰己が、レジェンドも顔負けの剛球を披露した。

 「見栄えのいい番号で(マウンドに)立ちたかった」と、チーム最年長右腕の岸から背番号11のユニホームを拝借してブルペンに登場。三木谷オーナーと石井GMの熱視線を浴びながら、1球ごとに「オリャ~!」と雄たけびを上げて腕を振った。3球連続ボールと荒れ気味のスタートから、4球目に初めてストライクゾーンにズバリ。目の前のタブレット端末が149キロを計測すると「あと1キロ!」と声を張った。

 そして5球目。低めの真っすぐが伊志嶺ブルペン捕手のミットに突き刺さると、今度は三木谷オーナーが「出た! 152キロ」と叫んだ。気温13度という寒さの中、本職の投手陣を上回る今キャンプ最速。伊志嶺ブルペン捕手も「予想以上」と目を丸くした。

 キャンプイン直前に三木監督から「野手の練習をしてもらう」と封印された二刀流プラン。しかし、「オーナーも平等な競争というところを言われている」(石井GM)と、楽天グループを一代で築き上げた総帥の経営哲学に沿う形で“トライアウト”の機会が用意された。全7球の初投げは、ストライクこそ1球だけだったが迫力満点。辰己も「試合になったらもっと出る。1次審査はたぶんクリア」と自信満々だった。

 しかし、石井GMの判定は「二刀流契約は当面見送る」と、まさかの不合格。三木谷オーナーは「二刀流契約をしたら?」と前向きだったというが、編成総責任者として「投げてみたら“4球肩”だった。4球で1イニング終われるのか不安」とスタミナ不足を指摘した。

 不合格を知らされた辰己は「マジっすか。152(キロ)投げてもダメなんですか」とぼう然。とはいえ、球界屈指の型破りなスターは簡単には諦めない。「チームが困った時に投げられる準備をしたい」とチャレンジ続行を明言。さらに「僕は変化球ピッチャーなんで。球種はめちゃくちゃ多彩。ただ、何を投げるかは言えないです」と、オール直球だった今回とは違う投球スタイルでの再挑戦を予告した。(星野 和明)

 ◆辰己の主な仰天行動

 ▼流血3ラン(23年4月27日・ソフトバンク戦=ペイペイD)5回、二盗失敗時に顔面を強打。額などから出血も「顔面ヘッドスライディングで自分に活を入れた」と、そのまま出場し7回に右越え3ラン。

 ▼ものまねで安打(24年7月23日・球宴第1戦=エスコン)8回の初打席に兵庫・社高の先輩の阪神・近本のフォームを“完コピ”。2球目を見事、右前安打とした。

 ▼コスプレ ゴールデン・グラブ賞の表彰式では23年に上下純白のスーツ、24年は全身ゴールドで登場。同年のNPBアワーズでは「武者」「切り裂きジャック」「甲冑(かっちゅう)」の三変化でド肝を抜いた。

 ▼契約更改で二刀流宣言(1月24日)12球団で大トリとなる契約更改で色紙に「25勝0敗」としたためて「マジで投げたい。冗談じゃなくて」と二刀流挑戦を宣言。

 ◆辰己 涼介(たつみ・りょうすけ)1996年12月27日、神戸市生まれ。28歳。小学1年から野球を始め、中学まで投手で社(やしろ)から外野手。立命大では4年春に関西学生リーグ最優秀選手。2018年ドラフト1位で楽天入団。24年に外野手としてプロ野球新の397刺殺。同年パ最多安打、ベストナイン。プレミア12日本代表。ゴールデン・グラブ賞4度。180センチ、74キロ。右投左打。背番号8。

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