ドジャース・大谷翔平投手(30)が、キャンプ地・アリゾナ州グレンデールの球団施設での自主トレで“リーズナブル器具”を使って投球フォームを確認している。
7日(日本時間8日)に壁当てをしている時だった。大谷はバスケットボールほどの透明な円形の器具を持ち上げた。両手で持って投球動作を確認。よりコンパクトなフォーム“超ショートアーム”を体にしみこませているようだった。
正体は「アクアボール」と呼ばれるフィットネス用の器具。ボールには、水が半分ほど入っていた。類似品で円柱型の「ウォーターバッグ」の方が一般的で、NPBの各チームでもトレーニングに使用されている。水があることで重量が加わり負荷がかかるだけでなく、動かせば水も揺れ動くため、体幹強化にも効果的。体重移動などもじっくりと確認していた。
昨季のキャンプ中には、約300万円のトレーニング機器、約5万円のGPS付きのベストなど高価な機器を使って走力を強化。自己最多を大きく上回る59盗塁につなげた。一方で今回は5000~6000円ほど。どんな道具でも進化をしたいという、あくなき探究心が表れている。
この日は、重さの違う数種類のプライオボールでの壁当てを傾斜を使って実施。力強いボールを投げ、ブルペン入りが近いことを予感させた。その後室内に約50分間こもり、打撃練習を行っていたもようだ。これまで2度の右肘手術を受け、投手人生を懸けて臨む今季。新フォームを固めるために、試行錯誤している。(安藤 宏太)
◆アクアボールとは 球体の中に入った不規則な水の動きにより、体には多様な負荷がかかる。水量で重さの変更も可能。不安定な負荷は筋肉の収縮を促すため、投球動作の腕の位置など安定したポジションを獲得するためには効果的とされる。予測できない動きに対応する必要があることから、競技の実戦環境の再現にも適している。