◆大同生命SVリーグ女子・第15節 KUROBE3-0群馬(8日、富山・ありそドーム)
KUROBEアクアフェアリーズは3-0で群馬グリーンウイングスにストレート勝利。2連勝を飾り、順位は11位に浮上した。今季新加入で、178センチのアウトサイドヒッター、金田莉実(26)が、チームトップタイの19得点をマーク。鋭いスパイクで14得点をマークすれば、鮮やかにブロック5本を決めて勝利に大きく貢献した。第2セットはジュースの末、29-27で取ったが、金田は「切羽詰まった状況でも楽しめた方が勝つんだろうなと思った。楽しもうという気持ちが大切で、それが2セット目の勝利につながりました」と明るい表情を浮かべた。
新天地のKUROBEで大きく開花した。東海大を卒業後、21年にヴィクトリーナ姫路に加入したが、成績は伸び悩んで昨季は8試合に出場して9得点のみ。「自分の実力不足もあったが、調子が良くてもユニホームが着れなかった。オリンピック選手もいて、半分あきらめていたところもあったが、自分を信じている」と金田。環境を変えるため、昨オフには移籍希望をチームに提出。KUROBEに練習参加して加入を決めた。
大きく変わったのは、自分のプレーの結果に対して、一喜一憂しなくなったところ。「今までだったら、スパイクが決まらなかったら、どうしようと不安だった。今では決まらなくても選択肢が増え、余裕につながっている」と手応え。この日もコースを狙った鋭いスパイクに加え、巧みなフェイント、豪快なバックアタックを披露。相手の動きを読み切って、ブロック5本を決めるなど、多彩なプレーを見せつけた。
富山県に来て驚いたのは雪の多さ。この日は富山・魚津市で積雪69センチを記録。「今までは雪だと嬉しかったのですが、これほど降られると、また雪か、というのがある。冬はスタッフに運転してもらっていますが、道もガタガタで、ビビっています」と苦笑い。大雪には苦労も耐えないが、今季の目標はチャンピオンシップ出場だ。「気負いせずに、1プレーを大事にして勝利につなげたい。攻守において安定感のある選手になりたいです」と意気込めば、川北元監督は「非常に明るい性格で、若い選手にも声をかけてチームの輪を作っている。年齢に関係なく、技術的に伸びしろがたくさんあるので、このチームと共にさらに高みを目指してほしい」と期待大。苦労を乗り越え、新天地でさらなる飛躍を目指す。(中田 康博)