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今季の“ブレイク候補”筆頭・中島洋太朗の活躍で広島が5度目V「甘えはだめ」

スポーツ報知 2025年2月9日 9時15分

◆富士フイルムスーパー杯▽広島2―0神戸(8日・国立)

 2025年のJリーグ開幕に先駆け、昨季J1王者の神戸と同2位の広島が対戦する富士フイルムスーパー杯が行われ、広島が2―0で勝利した。26年からのシーズン移行に伴い、32回目の今回が現行制度では最後となる一戦を制した。鹿島の6度に次ぎ歴代2位となる5度目の優勝を果たした。プロ2年目のMF中島洋太朗(18)がチームの中心として躍動。U―20日本代表にも名を連ねる18歳が、今季の“ブレイク候補”筆頭としての力を披露した。

 新シーズンへの期待感に包まれた国立で、広島の18歳が堂々と応えた。ボランチで先発した中島は司令塔として次々とチャンスを生み出し、自らも絡んだ。後半25分、ゴール正面約20メートルのFKはGK正面へ。「スタメンで出る以上、今までのように(仲間に)甘えていたらだめだと思うし、勝利に貢献していかなければ」。覚悟を感じさせるプレーの数々で、今季初タイトル獲得に大きく貢献した。かつて広島でプレーした中島浩司氏(47)を父に持ち、広島ユースから17歳でトップ昇格した昨季、リーグ戦では12試合に出場。すでにその才能の片りんは見せていた。今季はキャンプからのアピールが実り、この試合は元日本代表MF川辺らを押しのけて先発。視野の広さとタイミングを逃さないパスでチャンスメイクし、攻撃を活性化させた。U―20日本代表の一員としてU―20アジア杯(中国)に参加するため一時チームを離れるが、今季のJを盛り上げるひとりとしての存在感は示した。

 ハンブルガーSV(ドイツ)など欧州でも活躍したチームメートのMFアルスランは「とにかく、その一挙手一投足を目に焼き付けていただきたい。あまり長い間、Jリーグではやらずに、すぐ海外に行ってしまうと思っています」と絶賛。さらに「すばらしい才能で、ネクスト“ソニー”(韓国代表FW孫興民の愛称)じゃないが、アジアを代表する選手になるんじゃないか」と続けた。プレミアリーグのトットナムでアジア人初の得点王にも輝いた韓国代表のストライカーを引き合いに出し、期待をかけた。

 FWジャーメイン、MF田中聡ら新戦力もフィットした姿をいきなり示した。現行方式では最後となるこの大会、広島は5度出場し、すべて勝利。昨季リーグで優勝をさらわれた神戸にリベンジも果たした。集まる期待にも「まずは自分のプレーに集中してやることが大事」と浮かれた様子はなかった中島。昨季2位の広島が、伸びゆく可能性とともに最高の形でスタートを切った。(金川 誉)

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