ヤクルト・奥川恭伸投手(23)が9日、目標の開幕投手に向けて一歩前進した。ライブBP(実戦形式の打撃練習)に初登板し、最速150キロを計測するなど打者5人に対し22球で安打性2本に抑えた。腰痛で離脱した昨年の同時期と比較しても仕上がり具合は雲泥の差。「12月、1月といいオフが過ごせて、この2月もしっかりいいスタートが切れている。ここまで楽しくというか、思った通りに進んでいます」と手応えを口にした。
2人目のオスナに投じた5球目のスライダーが内角に決まった。思わず腰を引いて見逃した助っ人は手が出せず首を横に振った。「本当に全て一級品の球。スライダーもキレキレで、フォークもよく落ちていたし、直球もすごくスピードが出ていた。本当に良い投手」と、うなった。
二塁ベース付近から見守った高津監督も「最低(先発で)20試合というのはイメージしています。25試合いけばもう十分かなって思いますけど20試合っていうのは一つの目安になるかもしれない」と、開幕からシーズン最後までを見通して具体的な数字が飛び出したのも期待の表れだろう。
昨季終了後から継続して体幹を鍛えたことで“懸案事項”だった腰痛も発症せず、不安のない日々を送れている。21年には9勝を挙げた23歳。「キャンプだけではなくて今年一年、けがなく完走できるようにしたい」。好スタートを切った背番号18の視界は良好だ。(長井 毅)