◆ノルディックスキー ▽雪印メグミルク杯ジャンプ(9日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=K点123メートル、ヒルサイズ137メートル)
52歳の葛西紀明(土屋ホーム)が138メートル、127・5メートルの合計250・8点で3年ぶり3度目の優勝。1日のTVh杯に続く2週連続Vを成し遂げ、W杯個人最多出場のギネス世界記録(578試合)更新が期待される15、16日のW杯札幌大会に向けて最高の勢いをつけた。
気まぐれな降雪に不安定な風。けがのリスクも想起させる悪条件をはねのけて、52歳のレジェンドが仰天の2週連続Vを成し遂げた。1回目にヒルサイズ越えの138メートル。2回目は127・5メートルと飛距離を伸ばせなかったが、2位・小林潤をわずか1・9点の僅差で振り切った。
「狙ってた。絶対いけると思って、昨夜は“前祝い”してました。有言実行できてうれしいです」。過去2度の優勝がある相性のいい大会は、今年で66回目の開催。6月6日が誕生日の葛西は「オレのための試合だという気持ちで」またも若手を蹴散らした。
勢いは加速し、同会場で行われる次週のW杯札幌大会へ挑む。予選を突破すれば、自身が持つW杯個人最多578試合出場のギネス世界記録を更新。「大きな自信になった。2戦でしっかりポイントを取って、その後の世界選手権、W杯後半戦も回れるように頑張ります」と表情を引き締めた。(石井 睦)