プロフィギュアスケーターの羽生結弦さんが出演・制作総指揮を務める「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR」は9日、ららアリーナ東京ベイで千秋楽を迎えた。埼玉、広島を経て、たどり着いた千葉でのフィナーレ。満員の8300人の観客の前で、アンコールを含む15曲を2時間半超に渡って熱演。氷上で感極まった。以下、公演後の一問一答。
―アイスストーリーは第1弾から第3弾まで共通して「孤独」というものがインスピレーションの源になっているようだ。今、「孤独」は自分にとってどういうものなのか。
「あんまり孤独とは思っていないんですよね。ただ、戦わなきゃいけない時だったり、もちろん人間誰しもが持っていることだと思うんですけど、その全てを共有できるわけではない。とても悲しいことだけれども、自分の苦しみだったり喜びだったりを、全部共有できるわけじゃないじゃないですか。それってみんな孤独だなって思っていて。でも、だからこそ、人間は言葉というものを使うし、文字を使うし。Novaで表現したかったのは、たとえその世界で一人だったとしても、文字や記録や音とか、そういうものがある限りは、一人じゃないんだっていうことを表現したつもりなので。僕が孤独だとかっていうのは、あんまり思ってはいないんですけど、最近は。ただ、皆さんの中にある、ちょっとした孤独、みんなが気づいてくれない孤独みたいなものに対して、いや、大丈夫だよ。っていう気持ちで表現したつもりです」
―シーズン中の試合と同じように、公演を重ねるごとに素晴らしいものが出来上がっていった。7公演を経て、また何か超えられたなと思うものは。
「新しいトレーニングも、また始めてみて。可動域を上げるとか、単純に柔軟性が上がるとかっていうだけじゃなくて、使える体の動きと、どれだけリカバリーを早くできるかっていうことと。あとは自分の特徴であるしなやかさ、美しさみたいなものへの磨き方みたいなことを、広島の直前ぐらいから、練習を始めてるんですね。それがやっと今回、まとまってくれたなっていう感覚で、今います。なので、なんかこれからまた、どんどん変わっていけるんだなっていう感触が、実感が今はあります」