５年連続の開幕スタメンへ、Ｊ２北海道コンサドーレ札幌ＧＫ菅野孝憲（４０）が万全の態勢を整えていく。熊本キャンプ中のチームは９日、大津町で調整。菅野は他のＧＫ陣とともに２時間弱、セービング練習などに取り組んだ。キャンプでの対外試合全６戦に主力組で先発し、１６日の開幕・大分戦（クラド）へ正守護神争いを制した格好だが、気負いはない。「どんな状態になろうが、勝利のために自分の仕事に集中するだけ」。そう表情を引き締めた。
昨年は開幕・福岡戦の前日に、先発ＧＫ候補だった高木駿（３５）が左膝前十字じん帯を断裂。急きょスタメンとなったがゴールを死守し、０―０の引き分けに持ち込んだ。「去年も常に出る準備はしていたので」という言葉通りに出した結果の根底には、チームで一番のストイックさがある。キャンプ中は最も早く練習場に来て、全体練習後は自転車マシンをこぎ、最後に引き揚げるルーチンを崩していない。信条は「紅白戦だろうが勝ちたいし、シュート練習であろうが常に止めたい」。尽きぬ向上心があるからこそ、チーム最年長の今もゴールマウスを譲らずにいる。
チームは９年ぶり、菅野にとっても８年ぶりのＪ２舞台。「守備先行のゲームの中で、勝ち点をどう拾うかという試合が多くなってくると思う」。通算２５９試合のＪ２経験から厳しさは理解している。「いいサッカーをするのも大事だが、きれいごとだけじゃ結果が出ないのがこの世界。割り切らなきゃいけない試合や展開は、判断してやっていかなくちゃいけない」。泥くささも忘れず、勝ち星の上積みを図っていく。
そのために、やるべきことは明確だ。「キーパーに求められるのは、ゼロで抑えること以外ない」。衰え知らずのセーブ力を発揮して、開幕ダッシュへつなげる。（砂田 秀人）