◆米女子プロゴルフツアー ファウンダーズ・カップ 最終日(9日、米フロリダ州・ブラデントンCC=6465ヤード、パー71)
7位から出た山下美夢有(みゆう、23)=花王=が3バーディー、1ボギーの69で回り、通算13アンダーで日本勢最高の4位に入った。ツアーメンバー初戦での4位は、2006年・SBSオープン48位の宮里藍らを超え、1978年・吉川なよ子の2位に次ぐ好成績。22、23年日本ツアー年間女王が、いきなり実力を示した。イエリミ・ノー(米国)が、21アンダーでツアー初勝利を挙げた。
鮮烈な米国デビューを飾った。今季から米ツアーメンバーになった山下は初戦で、4日間60台を並べて日本勢トップの4位に入った。「(自身の)開幕戦でこの位置で戦えたのは自信になった。リラックスして自分のプレーができていた」と23歳は充実感を漂わせた。
持ち味の安定感を発揮し、スコアをまとめた。3番でピン横1・5メートルにつけ、最初のバーディー。安定したショットで最終日もスコアを2つ伸ばし「いい位置につけられていた」とうなずいた。第1ラウンド3ホール目から続いていた連続ノーボギーは「66」で途切れたが、4日間でボギーはわずか2つ。日本ツアー3年連続パーセーブ率1位の真骨頂だった。
昨年12月の最終予選会は、2位に6打差をつけてトップ通過で、世界最高峰の舞台の切符をつかんだ。会見で「強みは何か?」と問われると「100ヤード以内のショット、パッティング」と回答した。身長150センチと小柄で、パワーゴルフ主流の中、今大会4日間の平均飛距離246・6ヤードは67人中66位。飛距離では勝てないが、日本で磨いてきた得意のショートゲームで、十分戦えることを証明した。
今週は日本では少ないバミューダ芝でのプレー。グリーン上は芝目が強く、苦戦した選手も多いが「(日本と)違うのでその辺を練習して、試合で結果に出ればもっと自信になる。すごい楽しい」と目を輝かせた。「難しいコースほど楽しい」。環境が厳しいほど、山下のモチベーションは高い。
次戦はHSBC女子世界選手権(27日開幕、シンガポール)を予定している。「課題もたくさん見つかったのでそこを修正して、次の大会に向けて頑張りたい。パッティングもそうですし、スピンコントロールが一番の課題」。日本ツアー通算13勝、昨季は全米女子プロ選手権2位、パリ五輪4位の実力者。慢心することなく、新しい舞台での挑戦を続けていく。
◆米女子ツアーの出場資格 ツアーは12月まで34試合組まれる。一部を除き、各試合の出場人数は120~150人程度。出場優先順位は前年の年間獲得ポイント上位80人(カテゴリー1)が最も高く、古江彩佳らが該当する。昨年の日米共催・TOTOジャパンクラシック優勝の竹田はカテゴリー7。山下ら予選会組は、ポイント81~100位の準シード組より低く、カテゴリー14となる。