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“格さん”伊吹吾郎の孫・遼平が再起戦で勝利 「おじいちゃんに勝ちを見せるのが目標だった」

スポーツ報知 2025年2月11日 20時17分

◆プロボクシング ▽ミドル級(72・5キロ以下)4回戦 〇伊吹遼平 (判定) 古森綾音●(11日、東京・後楽園ホール)

 人気時代劇「水戸黄門」の格さん役などで知られる俳優・伊吹吾郎の孫・伊吹遼平(三迫)がミドル級のノンタイトル4回戦で、古森綾音(博多協栄)に判定勝ち。昨年8月の敗戦以来の再起戦を勝利で飾った。

 戦績は伊吹が3勝(2KO)3敗、古森が3勝(3KO)2敗。

 初回から積極的に前に出た伊吹は左右フックを上下に打ち込んだ。古森もバックステップを切りながら左強打、アッパーを当てた。4回終了10秒を切ったところで、伊吹がフックを振ると、倒れた古森にダウンが宣告された。ここは古森が立ち上がり、勝負は判定へ。38―37、38―37、39―36の3―0で勝利の女神は伊吹にほほえんだ。

 「勝ってホッとしている。倒したかったけど、今日はおじいちゃんに勝ちを見せるのが目標だった」と伊吹。スタミナを強化したつもりだったが、相手はサウスポースタイル、長身、アウトボクシング…。「スタミナはついていると思ったが、全部初めてで、スタミナが切れるのが早かった。今後はスタミナが課題ですね」と唇をかんだ。水戸黄門の印籠を掲げて登場するのが恒例だが、この日は「家に忘れてきてしまった」ため、後輩が急いで取りに戻ってくれたという。「おじいちゃんに印籠を見せることもできた」と3戦ぶりに生観戦となった祖父に雄志を見せられてようやく笑顔を見せた。

 伊吹は昨年9月、東日本新人王準決勝で、後に全日本新人王を獲得した吉野健二(角海老宝石)に0―2判定負け。7か月前に4回TKO負けした相手に連敗したことで現役引退も考えたという。敗戦から1か月ほどした時、祖父から食事に誘う電話があった。その会話の中で、祖父が何げなく「もう練習は行っているのか?」と尋ねてきたという。「普通に、おじいちゃんからそういう言葉が出てきた。引退のことを知らないでなのか、分かっていて言ったのかはわかりませんが、その言葉を聞いて『あ、(やめるのは)今じゃない』と思った」。それから1週間後にはもう、ジムで練習していた。走り込みから練習方法を見直し、「追い込み方を変えた」という。

 リングサイドで孫の試合を見守った祖父の吾郎。「引退を考えていることは知りませんでした」と話したが、「子供の時から一緒に温泉旅行に行ったり、かわいい初孫です」という遼平の踏ん張りはうれしかったはずだ。

 昨年逃した東日本新人王に今年もエントリー。初戦はスイッチヒッターのジュディ・クレッグ(リングサイド)と対戦する。「相手はデビュー戦なので、どんなスタイルかは分からない。でも、どんな相手でも自分のスタイルで」と伊吹。前に出続けるボクシングを貫くと意気込んだ。

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