◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
スポーツ報知の大阪版では、オリックスの扱いが大きめだ。勝敗次第で紙面のレイアウトが変わり、時には1面になることも。23年に北海道のエスコンフィールドへ出張したときは、現地のカメラマンから「オリックスの出張で大阪からエスコンに来た初めてのカメラマンだよ」と感心されたこともあった。
この23年は、リーグ3連覇を達成したメモリアルな年。そのなかで心に残っている取材がある。転職組の私は、まだ入社2年目だった。担当記者からインタビューの日時と内容を伝えられ「写真は任せるからよろしく」と言ってもらえたのがうれしかった。その取材は「バファローズ山脈」と呼ばれる5選手のうち山本由伸、山崎福也、山崎颯一郎の3人による座談会。持参した「山」の字の模型を持ってもらった。山崎福也がこちらのリクエストで叫ぶパフォーマンスを披露。それにつられて他の2人も自然な笑顔をカメラに向けてくれた。撮影後に選手から「バッチリでしょ」と言われたことが忘れられない。
3人は今、別々のチームにいるから、この写真を撮ることはできない。今しか見せることのできないものを、新聞だけでなくオリックスのXアカウント「オリほーーーち」でも発信していきたいと思っている。前日に京セラドーム前のホームセンターで買ったパネル素材を「山」の字に切って自作するのに5時間かかったことは、ココだけの話。
(写真担当・岩田 大補)
◆岩田 大補(いわた・だいすけ) 夕刊スポーツ紙で14年間の勤務を経て、2022年に入社。写真担当。第5回WBCやパリ五輪を取材。