1月15日(日本時間16日)にアスレチックスとマイナー契約を結んだ桐朋・森井翔太郎内野手(18)が11日、東京・国立市内の同校で記者会見に臨んだ。ドジャース・大谷翔平投手(30)をほうふつとさせる新怪物は「自分の進みたい道に進もう」と直接メジャー挑戦を決断した理由や二刀流への思いを告白。“本家”顔負けの向上心で5年目までのメジャー昇格を目指し、異例のキャリアをスタートさせる。
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森井が「野球人生最大の挫折」と明かす出来事がある。小6だった18年の12月、西武ライオンズジュニアに選出され、札幌Dで行われた「NPB12球団ジュニアトーナメント」に参加した。大会前には当時の主力だった秋山翔吾や山川穂高、森友哉から激励された。チームは準優勝したが、同世代の有望選手のレベルは高く、本番では控えに甘んじた。登板の機会は訪れなかった。
「荷物運びとか、雑用がメインの仕事でした。でもその時、控え選手が普段どんな思いをしているのか、気づけたんです」
それ以降、森井はグラウンド整備などの雑用を率先して行うことに決めた。その姿勢はドラフト上位候補として注目を浴びた高3になっても、変わらなかった。田中隆文監督は言う。「謙虚な男ですよ。だから応援されるんですよね」。海の向こうでの大いなる挑戦。どんな失敗も糧にして、はい上がって行くに違いない。(編集委員・加藤 弘士)